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売るためには「伝えた」内容がお客様の心に響くことが大事です。
しかし、「伝える」ことは容易ではありません。
そこで「伝える」ことの大切さ、「伝わった」世界の作り方について、
長年テレビショッピングのMCとして商品の魅力を伝えてきた、
株式会社ジャパネットたかた創業者の髙田明 氏(現 株式会社A and Live代表取締役)にお話を伺いました。

髙田 明

株式会社A and Live代表取締役

1948年長崎県平戸市生まれ。大阪経済大学卒業後、機械製造メーカーに就職し、通訳として海外駐在を経験。74年に父親が経営する「カメラのたかた」に入社。86年に「株式会社たかた」を設立。90年にラジオでショッピングを行ったのを機に全国へネットワークを広げ、94年にはテレビショッピング事業に参入し通信販売事業の展開を本格スタート。紙媒体、インターネット媒体などのメディアも順次展開。99年に「株式会社ジャパネットたかた」へ社名変更。2015年1月「株式会社ジャパネットたかた」の代表を退任し、同時に「株式会社A and Live」を設立。2017年4月、経営危機にあったプロサッカークラブ「V・ファーレン長崎」の代表取締役社長に就任、同年にはJ1へ昇格した。クラブ再建の道筋をつけて2020年1月に退任。

なぜ「伝える力」の重要性を多くの方に伝える活動に尽力されているのでしょうか

ジャパネットたかたの社長時代には、放送業界やメーカーさんなど、さまざまな方とのつながりが生まれました。社長退任後は、そのような方々とのご縁などを通じて講演の依頼をいただく機会が増えています。その多くが、テレビショッピングでお客様に商品の魅力をお伝えしてきた経験と技術を「売ること」「伝えること」に苦労されている方々に語ってほしいという内容です。商品の素晴らしさについてテレビでどれだけ語っても、お客様に伝わらなければ意味がありません。スティーブ・ジョブズさんも「いくら素晴らしいものを作っても、伝えなければ、ないのと同じ」とおっしゃっていましたが、10社が同じモノを作っても、消費者の心に届いて売れるのは、伝える努力をした企業の商品です。私自身、これまで本当にいいと信じてご紹介した商品の素晴らしさをお客様に伝えきれたとき、多くの方にご購入いただくことができました。「伝える」を難しいと感じている方の多くは、この「伝わった」世界を作り出すことに課題を抱えていらっしゃるような気がします。講演ではこれまでの自分の生き方や考え方を交えて、私が考える「伝わった」世界の作り方をお伝えしています。

伝わらない悩みは私も抱えています。

「伝える」というのは、本当はとても深いことです。「伝えた」と「伝わった」では意味がまったく違います。伝えたつもりでは「伝わった」世界は作れません。伝わらないボトルネックを探し続け、最終的にそれを見いだしたときに「伝わった」世界が現れます。これは、能や歌舞伎等の役者もミュージシャンも同じです。演者は、どう演じたら感動が届けられるかを探し出して表現する。その思いが伝わったとき、観客は感動するのではないでしょうか。

今、ロシアによるウクライナ侵攻をはじめ、世界の至るところで戦争や対立が起こり、平和についての議論が行われています。しかし、そこでは対立している人たちがお互いの思いを伝えたつもりになっているだけで、胸襟を開いて伝え合うことができていない、「伝わった」世界を共有できていないのではないか。民主主義と覇権主義、世界平和の問題もすべてそこに凝縮されているように感じています。

また、テレビやラジオでしゃべる、雑誌に載せる、インターネットで紹介することもすべて共通です。それくらい「伝える」ことには深い意味がありますから、悩んでいる方にとって、私の経験が少しでも参考になればと考えています。オンラインではうまく伝わらないという話をたびたび耳にしますが、私にとって通信販売事業のスタートだったラジオも、その後のテレビショッピングでも、相手に直接話しかけることはできませんでした。商品の価値を伝えるための手段は声と映像のみです。それでも多くのお客様に商品を購入していただけた経験から、対面でもオンラインでも伝えることに変わりはなく、どういう形であってもコミュニケーションは可能だと考えています。

新聞や折り込みチラシの場合は、伝える手段が文字と写真だけで音声も動画もありません。しかし、これも伝えるコミュニケーションの1つです。ジャパネットたかたでは、それらの要素がすべて詰まったインターネットも加えて、テレビ以外のメディアも駆使しながら商品の価値を伝えることに努めてきました。ビジネスは伝わらなければ成り立ちません。手段が違っても「伝える」ことは同じだと思っています。

商品を購入した「その先」をお伝えできているか

商品を紹介する際、他社との比較だけでなく、「価値あるモノ」として伝えるためには何が必要でしょうか。

商品を買ってもらうために他社と比較するのは、悪いことではありません。ただし、競争の場面で比較に終始してしまう傾向があるなら、プラスαを伝えるスタイルに変えていく必要があるでしょう。ポイントは、単なる比較ではなく、自社製品が他社とどう違うのかを伝えられるかどうかです。例えば、ウオーキングシューズを紹介するとしましょう。多くの人は、メーカーがコンセプトを考えてシューズを作るところまでの「ハード」を比較します。しかし、単なる比較とは違う魅力が存在するのは「その先」、シューズを履いて歩く段階の「ソフト」の世界です。

ウオーキングシューズの主な購買層は、2025年には国民の3人に1人まで増加する高齢者です。ウオーキングシューズは歩きやすさに特化したシューズですから、底にエアーが入っている、軽い、履きやすいという特徴はどのメーカーもほぼ変わりません。ハード面での違いはデザインくらいで、それは全体の2~3割に過ぎません。そもそも、何のために靴を買いますか?

歩くためです。

そうですね。では、70~80代になり足が弱ってきた両親や祖父母に、シューズをプレゼントしたいと考えたとしましょう。それは何のためのプレゼントですか?

元気で長生きしてもらうためです。

健康寿命を引き上げて、20年でも30年でも元気な体で人生を楽しんでほしいと思いますよね。誰でもそう思います。シューズの「その先」は、まさにそこです。でも、シューズを贈られた側は、軽くて歩きやすいからこれを履いて歩けば健康寿命が延びるかな?くらいの気持ちだと思います。では、本当の「その先」は何でしょうか?

プレゼントしたシューズを履いて、大切な人が健康でいてくれたらうれしいです。

そこなんですよ。「今、高齢化社会ですから、健康寿命を延ばすためには「食の文化」「睡眠の文化」「運動の文化」が大事だといわれていますよね。だから、このシューズを履いて歩いてください。歩くことが楽しくなります。そして皆さんの健康寿命を延ばして、周りのご家族を喜ばせませんか?おじいちゃんや奥さまたちが元気になれば、ご家族を幸せにできるんです。このシューズは、買っていただく方のためだけではありません。それを通して周りのすべての人が幸せになれる商品なんですよ」と伝えれば、ハードだけでなくソフトのプラスαが伝わります。私もすべてにおいて「その先」をお伝えできたわけではありませんが、いつの間にかそういう語りかけをしていました。私がジャパネットたかたでウオーキングシューズを紹介した当時、高齢者にあたる65歳以上の人口が3,300万人くらいでしたが、1万円弱のウオーキングシューズが70万足も売れました。

「その先」には、商品購入後のその人たちの人生があるんですね。

私は、25歳でサラリーマンを辞めた後、41歳までの16年間、両親が起業したカメラ店を兄弟と共に営んでいました。その当時、私が自分の子どもの運動会で撮影した映像に、ほかの親御さんやおじいちゃん、おばあちゃんがずらっと横一列に並んでカメラを構えている姿が映っていて、とてもほほ笑ましく感じたことを覚えています。しかし、お昼の時間になっても、皆さんお子さんが食べているところしか撮っていません。そのお子さんが20歳になったとき、家族みんなで運動会の映像や写真を見ている光景を想像してください。「私、こんなに小さかったんだ」「お母さんが作ったおにぎりをおいしそうに食べているね」という話にはなりますが、そこには撮影しているご両親やおじいちゃん、おばあちゃんが映っていません。もしかしたら20年後には、おじいちゃん、おばあちゃんはいらっしゃらないかもしれませんよね。だから、私がカメラを売るときには「お子さんを撮るときには必ずご両親、おじいちゃん、おばあちゃん、ご家族が一緒の写真・動画を撮ってください。その子が成長したとき「おじいちゃんとおばあちゃん、こんなに元気で若かったのか」と涙が出るくらい感動しますよ」とお伝えしました。「ハード」は常に「ソフト」を引き出し、人生を変えていく素晴らしいものです。

「ソフト」を引き出すためにはどうしたらいいでしょうか。

例えばSKYPCEを売りたいなら、一番大事なのはSKYPCEを使うことでどのような世界を生み出していけるのかをSkyの社員の皆さんがインプットしてお客様に伝えていくことではないでしょうか。伝えられない、アウトプットできないのは、インプットの精度を上げていくと改善できてくると思います。インプットは100%が上限ではありません。200%、300%とインプットすればするだけアウトプットの精度は上がります。

エアコンで商売しようと思ったら、エアコンの勉強をしますよね。A社のエアコンを売るのであれば、その内部がどうなっているのか、空気清浄機能は?自動お掃除機能は?部屋の温度はどこで測っている?など、消費者が知りたい情報をインプットしていきます。A社のエアコンについての情報を100%インプットしても、アウトプットできるのはハードの情報だけになりがちです。でも、エアコンを販売するときに大事なことって何だと思いますか?反対にエアコンはどこから買いますか?信頼できる企業・お店から買いませんか?でもなぜ、信頼できるところから買おうと思いますか?

取りつけ工事で家に入ってこられるので、安心できるしっかりした人に来てほしいです。

そうですね。今だったら、新型コロナウイルス感染症対策が徹底されているかも気になります。私が退任した後の話ですが、ジャパネットでは年に2回、工事を請け負っていただく業者さん数百人に集まっていただき、工事の取りつけにかかる時間や作業の品質を計測する大会を開催するようになりました。お客様に信頼していただける技術・サービス品質を持った人を教育し、参加者同士で情報を交換して知識を高め合う場にもなっています。これもエアコンについてのインプットです。もちろん、商品の配送にも品質があります。メーカーや自社だけでなく、関係する企業トータルの品質が良くなければお客様の心には響きません。テレビショッピングのMCは、商品の品質・取りつけ・配送それぞれの100%をインプットして理解していなければ、商品を語ることはできないと思っています。

プレゼンテーションの場などでは特に、インプットしたこと100%をうまくしゃべろうとする人が多いように思います。

NHKの「クローズアップ現代+」に出演した際にもお話しましたが、皆さん自分をよく見せようとしてうまくしゃべろうとされます。しかし、一番大切なのは、相手に自分の本当の姿を見せることではないでしょうか。面接官には、表情1つとっても「これは事前に練習してきたな」と伝わります。もちろん、礼儀としてそれも必要ですが、最初から最後までマニュアルどおりでは人の心には響きません。質問に対して答えられなければ、勉強が足りていないことを正直に言った方が面接官には響きます。自分の魅力を伝えたいなら、採用面接でもうまくしゃべろうとする必要はありません。これは、お客様へのプレゼンテーションの場でも同じです。

何でもカタカナ語で話せば、うまく聞こえると思っている人も増えていると思います。

ITの専門家に対してはカタカナの専門用語を使うべきでしょうし、一般の人が参加しているなら誰にでもわかる言葉に切り替えなければ、聞いている人は眠たくなってしまいます。伝えるためには「その場」を感じて言葉を使い分けることが大事です。例えばパソコンのCPUやメモリ、ハードディスクについて誰にでもわかるように説明できますか?私なら、メモリの容量の違いは広い机と狭い机に例えて、どちらが作業しやすいかを想像してもらったり、ハードディスクの容量の違いを引き出しの数に例え、2杯よりも10杯の方がたくさん書類を入れられると説明します。何でも別の何かに置き換えて説明できるようにしておくことで、誰にでもわかりやすく伝えることが可能です。難しいことほど、何かに置き換えた途端に「そういうことなんだ」と理解してもらえるようになります。

「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに、まじめなことをゆかいに、そしてゆかいなことはあくまでゆかいに」2010年に亡くなられた作家の井上ひさしさんの有名な言葉です。テレビ番組へ出演された際「どんな気持ちで小説を書いていますか?」と聞かれておっしゃったそうですが、私はこの言葉を自身の講演でよく引用しています。

話を聞いている相手を引きつける技について、お聞かせください。

室町時代の能役者、世阿弥は古典舞楽の概念「序破急」を能に取り入れました。「序破急」は1つの演目それぞれにあり、最初は基本の「序」。「破」では序よりも多彩な演技を見せ、「急」では破よりも激しい演技で畳みかけるという理論です。これは、最初の10~15秒で何を伝えたいのかを端的に話し、その後、相手を引きつけるトークを展開する。そして最後に結論、例えば値段を伝えるというビジネス上の会話にも通じます。

また、いきなり話すのではなく、相手を引きつけるトーンとタイミングが重要です。能役者は面をつけているため、周囲が見えていません。どのタイミングで一歩を踏み出すか、声を発するかは、まず心と体で調子を整え、次に相手を引きつけるトーンとタイミングを見極めてから、最後に声を出しています。これも世阿弥の「一調二機三声」という教えですが、私が通販で最も学びを得たのがまさにこの考え方です。「これが2万9,800円です」と言ってから、すぐにフリーダイヤルを表示しても商品は売れません。10分間説明して2万9,800円と伝える。そこで5秒間を置き「皆さん、安いと思いませんか?これが2万9,800円!」と言う。このとき、私はテレビの向こうの人と対話しています。この5秒の間によって、売上が5倍も変わったことがありました。

伝えたいことが5秒以内に目に入ってくるか

商品を売る以外でも「伝える」ことは難しいと感じます。例えば、部下を教育するための研修では、叱るのではなく褒めて伸ばしましょうと言われることが多いのですが、本人のポテンシャルが高くなければ、褒めるだけでは成長させてあげられないのではないでしょうか。しかし、叱るとパワハラと言われるのが怖くて思いを伝えられない。そんな人が増えている気がします。

伝えようとするときには相手がいます。自分一人で語っているわけではありません。それは、医師が患者と接する際も同じです。私は、患者さんの心を感じて伝えることができるのが、名医だと思います。政治家も自分が伝えたいことを一方的にしゃべっているようではダメで、国民の心を感じている人に支持が集まるのではないでしょうか。私たち一人ひとりは消費者です。業界の常識は消費者の常識ではありませんから、自らが消費者として何を感じているのかを見つめれば、今、お客様に伝えるべきことが見えてきます。伝えるということは、どれだけ相手の気持ちを理解して心を感じることができるか、これしかないと思っています。親が子どものことがかわいくて仕方がないのに、なぜ叱るのか。それは子どものことを一番に考えているから、気持ちをわかっているからです。会社でも上司の皆さんは、部下の気持ちをどこまで理解できているでしょうか。コミュニケーションにおける根元の信頼感がなければ部下を成長させてあげることはできません。

私自身は、現役時代はとても厳しい社長でしたから、10叱って1しか褒めなかったのですが、30年以上勤務している社員には「社長違います。社長は100叱って1しか褒めません」と言われました。でも、私はこれをマイナスには受け止めていないのです。もちろん、時には議論になることもありましたが、成長してほしいという愛情を持って、できていないところはしっかり指摘していくことが、社員の自己実現に寄与していくと信じていたので、妥協せずに向き合っていました。

叱るのはとてもエネルギーがいりますし、嫌われるのも怖い。
だから、できれば叱りたくない思いもありますが、嫌われる勇気を持つことが大事ですね。

嫌われる勇気というのは、好かれるためだけではなく、「好かれて尊敬されるため」の勇気です。例えば、SKYPCEを売るため部下に厳しく指導したとしましょう。結果的にSKYPCEが売れたら、それまでに叱られたことは吹っ飛んで、すべてが良かった記憶に変わり、最大の評価を得て部下にとっての自己実現がかないます。しかし、ある調査によると新入社員の3割が3年で辞めてしまうそうです。部下と上司それぞれが「伝わった」世界を作れる期間としては、3年は短いかもしれませんので、もう少し頑張っていただいたら……と残念に感じています。

名刺をビジネスに活用されたエピソードをお聞かせください。

特にBtoB(Business to Business)では、名刺はビジネスの入口となる大事な情報ですから、各部署と連携させていくことでチャンスが広がります。私は2017年から約2年間、V・ファーレン長崎というサッカーチームの社長を務めたのですが、就任した際は倒産寸前だったため、スポンサー集めに県内外を駆け回りました。そのときに役立ったのが名刺情報です。協賛のお願いは、ただ「お願いします」と伝えて契約が成立するようなものではなく、事前の情報収集がとても重要です。企業は業績がいいときばかりではありませんから、企業のWebサイトに公開されている情報だけでなく、最新の売上高を事前に確認したり、さまざまな情報をインプットして臨まなければ商談はうまくいきません。インプットする情報の中でも、過去にお会いした際の印象や会話で得た情報のメモが役立ちます。好きなスポーツについてのメモから、A社の社長がラグビー好きとわかれば、ラグビーの情報をインプットして話題を広げられるようにしておくことで、サッカーについての理解が得られる可能性も広がります。ラグビーが好きな方にサッカーのスポンサーとして数百万円出してくださいとお願いするわけですから、きっかけをつかむためにはできるだけたくさんの情報が必要です。

最初に名刺を交換した際の案件が終了しても、その先にどんなつながりが発生するかわかりません。意外な情報が解決の糸口になる可能性もありますから、会ったときの印象や履歴などを確実にメモしておくことが、これからの情報を活用した営業には欠かせなくなります。おそらくSKYPCEにもメモの機能があると思いますので、ぜひお客様に自分たちが行っている効果的な活用を提案してみてはいかがでしょうか。

現在、私が社長を務めるA and Liveという会社は数名の規模ですが、それでも名刺情報をデータで管理し、そのデータ上でお中元やお歳暮をいただいた情報やお礼を返しているかも履歴に残しています。

企業が名刺情報を一元管理するための方法やサービスはさまざまですが、SKYPCEの強みは何ですか?

誰でも簡単に操作できることに加え、弊社の別商品「SKYSEA Client View」というデータへのアクセスログを取得できるシステムを併用すれば、名刺情報の取り扱いをログとして記録できる点だと考えています。

以前、ジャパネットたかたでも情報の流出を起こし、お客様にご迷惑をお掛けしてしまいました。あのときはすべての業務をストップして対策に集中し、150億の減収になりましたが、これを機にお客様に安心していただける体制を本気になって構築することができました。

弊社は、業務で得た名刺情報は会社の重要資産だと考えています。しかし、組織で管理する有用性について、まだまだ浸透できていません。

数年前には、退職時に業務で得た名刺をすべて持ち帰り、次の就職先での営業活動に利用することの是非を問う裁判の報道をたびたび目にしました。企業が情報を一元管理するために名刺管理サービスを活用すれば、個人が名刺ホルダーで管理するよりも、情報の持ち出しに関しては安全になると思いますが、情報へのアクセスやダウンロードの管理も併せてやっていかなければ安心できません。Skyさんは、情報の安全性については当然考えられていると思いますが、名刺が会社の資産であることをしっかり知ってもらうためには、伝えたいことがWebサイトやチラシ等の記載情報で、一目でわかってもらえる作りになっているかが課題になってくるのではないでしょうか。チラシを見てSKYPCEが何をするサービスなのかを5秒以内で理解できるかはもちろん、「名刺は会社の重要な資産」であることがすぐに目に入るようになっているかも大事なポイントだと思います。

チラシやリーフレットはページ数が限られていますから、そこですべてを語るのではなく、キャッチコピーで関心を持ってもらい、その商品について営業に話を聞いてみたいと思わせることが本来の役割です。また、キャッチコピーを目立たせるためには、隙間を意識することも重要なポイントになります。人は隙間がない書き物が苦手です。本屋さんにズラッと平置きされた本を手に取るとき、帯に書かれたキャッチコピーが長文だったら手に取ってもらえません。先日発売された、ある医学博士が書かれたエッセー本の帯のキャッチコピーを依頼され、「1本の映画が人生を変える事もある」という言葉を贈りました。短い文章で内容が伝わる、読んでみたいと思わせるキャッチコピーを作るのは難しいですが、商品を売るためにはとても大切なことです。

最後に、「伝える」こと「ボトルネックを見つける」ことに悩まれている方へメッセージをお願いします。

「伝えた」世界と「伝わった」世界は違います。営業活動で直接お客様に説明したり、動画やWebサイトでアピールすることは、伝えただけで伝わっているのと同じではありません。テレビCMやインターネット広告、カタログやチラシにも、すべて伝えるべき相手が存在します。その相手が「理解した」世界を作ってください。相手が理解したときに初めて「伝わった」と一致します。「伝わった」世界が作れたら、ビジネスやコミュニケーションの質が上がります。しかし、そこに到達するためには1にも2にも一生懸命に努力するしかありません。

また、人生は常にボトルネックを探し続けていくことだと思っています。人生100年時代といわれていますが、1つの山を越えたらまた次の山、1年、5年、10年、100年と越えるべき山は続いていきますから、そういう社会を楽しんで生きてください。そして、仕事上のミッションと自分の人生のミッションがつながったときに、素晴らしい人生になるはずです。とにかくやり続けることが大事です。皆さんは企業・組織の中で少しでも成長しようと頑張っていると思いますが、成長には限界がありません。100歳まで生きてどんなにうまくいった人生でも、ボトルネック探しは永遠に続きます。だから、成功という言葉は存在しないと思っています。では、いわゆる成功とは何なのか。それは、頑張って1つの山を越えていくそのプロセスこそが成功ではないでしょうか。

そして、失敗は「うまくいかなかった」ことではありません。だから、私はこれまでの失敗のなかった人生に感謝しています。うまくいかなかったことはたくさんありますが、それは失敗ではなく試練という言葉に置き換えられるのではないでしょうか。その試練を重ねるプロセスが成功だと考えて、ボトルネックを見つけることを楽しんでいただきたいと思います。

(「SKYPCE NEWS vol.4」 2022年9月掲載 / 2022年7月オンライン取材)

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