情報システム課が外せないセキュリティの視点
重視したのは第三者に
名刺情報が流出しないこと
左から、総務部 情報システム課 課長 兼 福祉部低所得世帯 価格高騰重点支援給付金事業PT 主幹 倉富 和幸 様、総務部 情報システム課 情報システム係 渡口 尚吾 様
名護市は沖縄本島の北部に位置する、「やんばる」と呼ばれる地域の玄関口です。豊かな自然と文化が融合した魅力的な都市で、市内は三方を海に囲まれ、山々が連なる自然豊かな環境が広がっています。また、ソーキそば発祥の地としても有名で、おいしいグルメを楽しむこともできるなど、訪れるたびに新たな発見がある魅力的な街です。2000年には、G8主要国首脳会議の開催地となりました。
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導入経緯
異動時に引き継ぎが難しい
自治体の課題をフォローするサービス
名刺管理サービスを導入することになったのは、企業の担当者との名刺交換枚数が膨大な商工・企業誘致課が、企業誘致活動の効率化を検討していた際に、ITのイベントで「SKYPCE」の実演を見たことがきっかけです。企業誘致は、5~10年かかってようやく結果に結びつくケースも珍しくありませんが、自治体では異動が避けられないため、その間に情報の引き継ぎができないまま担当者が交代してしまうケースもありました。実際に「SKYPCE」を見た職員は、面会時に会話した情報等を名刺情報にひもづけて管理できれば、異動時の引き継ぎが難しくてもうまく進められそうだと感じたようです。
導入の相談を受けた私どもは一つの部署だけで利用するのはもったいないと考えました。そこで、組織的な名刺管理のニーズを探ることに。その結果、市長など名刺を交換する機会の多い三役をサポートしている秘書交流課から、名刺管理の効率化に活用したいと手が挙がり、この2つの部署への導入が決まりました。私ども情報システム課は運用開始までのフォローはしましたが、稼働後はそれぞれの部署に任せています。
導入効果01
第三者への情報流出防止にも有効な
外出時のスマホアプリ活用
「SKYPCE」のスマホアプリを活用すれば、職員が手入力で電話帳に登録する必要がなく、外出時にも名刺情報から発信できます。着信時は名刺情報を登録した相手の所属や名前が表示される点も便利です。さらに、認証が通らなければ「SKYPCE」アプリを開くことができないため、紛失など万が一第三者の手に渡ってしまった際も、外部の方にご迷惑をおかけする心配が少なく安心できます。
情報セキュリティポリシーを所管する情報システム課では、外部に情報が流れる可能性のあるサービスの利用は避けるべきだと考えます。そのため、組織的な名刺管理には、第三者に情報が共有されない有償のサービスが必要でした。また、役所では、氏名・住所・生年月日・性別が含まれていなければ個人情報にあたらないと考えられてきましたが、民間では個人が特定できれば個人情報として扱われます。今後、私どもでも個人を特定できる名刺情報に対しての認識を改めていく必要性を感じています。
庁舎外での活動を効率化する「SKYPCE」のスマホアプリ
導入効果02
数年前の記憶を呼び起こすのに便利な
「メモ」と「活動記録」
商工・企業誘致課では、誘致を図っている企業との調整記録を表計算ソフトウェアに登録しています。企業担当者の連絡先にメールの署名をコピーする職員もいれば、名刺に書かれた連絡先を手入力したり、書式も情報量も担当者それぞれです。「SKYPCE」に登録した名刺情報を起点にして、それらの情報と共に訪問記録や対応記録を「活動記録」に残していけば、より正確なデータベースにしていけると考えています。
また、企業の誘致は短期間で決まることもあれば、数年かかることも珍しくありません。担当の職員と接点を持たれた企業の方は、数年後にその職員が異動した後も、引き続き同じ相手に連絡されるケースが大半です。異動後に連絡を受けた職員は現在の担当者へ話をつなぎますが、数年前の記憶は曖昧で説明するのが大変なことも。「SKYPCE」の「メモ」や「活動記録」にやりとりを残しておけば、名刺情報を起点に時系列で確認できるため、情報の引き継ぎに有効です。
導入効果03
誤入力と誤送信の防止に役立つ
名刺情報のメールアドレス利用
外部へのメール送信で意外に多いのが、メールアドレスの入力間違いです。「SKYPCE」は名刺情報に登録されたメールアドレスをクリックすれば、アドレスが入力された状態のメーラーが起動。職員が入力する必要がありません。以前はリストへの入力を間違えて、メールが送れなくなることもありました。「SKYPCE」導入部署では、名刺の正しい情報が活用できるようになったことで、今後そのようなケースはなくなっていくと思います。
日本では人口減少の局面を迎えていますが、名護市も例外ではありません。今後さらに出生率が低下していけば、職員の減少も避けられず、これまでのアナログ的なやり方では業務が追いつかない事態に。行政サービスの質と提供スピードを落とさないためにもIT化・DX化を強化し、「SKYPCE」との連携も進めていけたらと考えています。
2024年10月取材