ビジネスにおける「情報」とは、組織に蓄積されたデータやノウハウ、ナレッジなど、業務に関わるあらゆる内容を含みます。情報を収集したり、蓄積したりする手段が豊富になった現代では、いかに情報を有効活用できるかが、ビジネスを成功させるためのカギとなります。では、どうすれば情報を有効活用できるのでしょうか。情報を活用する上で大切なのが「情報共有」です。この記事では、組織内の情報共有を強化するメリットや、うまくいかない場合の原因、情報共有を効率化するためのポイントと有効なツールなどをご紹介します。
組織内で情報共有を行う意味と目的
情報共有とは、社員が個々に持っている情報をチームや社内で共有することです。組織全体で情報を共有することにより、業務の効率化や生産性の向上につなげることができます。
情報共有を行うメリット
情報共有をすることで、具体的にどんなメリットがあるのでしょうか。ここでは、実際のビジネスシーンを想定しながらご紹介します。
業務の属人化を防止できる
情報共有をすることで、業務の属人化を防止することができます。例えば、営業担当者の退職や異動で別の従業員が担当を引き継いだ際、お客様へのサポートや提案の質が落ちてしまうことは避けなければなりません。顧客はどのような会社で、相手側の担当者はどのような人なのか、または前任の担当者とどのようなやりとりをしていたのかといった情報を、普段から部署やチームのメンバーと共有しておくことで、担当者が変わっても業務の質を保つことができます。
担当者の急な交代など、予想外の事態が起きると、情報の引き継ぎが不十分になりかねません。そうならないためにも、日頃から情報共有を行うことが大切です。
生産性が向上する
情報共有をすることは業務内容の可視化につながり、生産性の向上が期待できます。例えば営業の場合、誰がどの顧客を担当しているのかなど、業務状況を可視化してチーム全体で共有することで、担当者が明確になります。業務の依頼や連携がスムーズになり、効率的に業務を進めることができるようになります。
組織全体で情報を活用できる
従業員が個々に業務で得たナレッジをチームに共有することで、チーム全体でナレッジを活用できるようになり、組織全体のスキル向上につながります。また、自分にはあまり役に立たないと思っていた情報が、チーム内の別のメンバーには有用ということもあります。
例えば、イベントで名刺交換した相手が、自分の担当業務では顧客にはなり得なかったとしても、別の部署やチームにとってはアプローチしたい対象かもしれません。自分では活用できなかった情報でも、チームに共有することで思わぬ成果につながる可能性があります。
信頼関係の強化につながる
情報を共有することは、信頼関係の強化にもつながります。情報を共有するために、従業員同士のコミュニケーションが生まれるからです。コミュニケーションが活性化すれば、従業員同士の信頼関係が強化され、業務の連携が円滑になることも期待できます。
人材育成や引き継ぎが円滑になる
情報共有をしていれば、人材育成や業務の引き継ぎが円滑になります。チームに新しいメンバーが入った場合、まずは業務や顧客に関する情報を共有する必要があります。しかし、情報共有のために日頃から必要な情報をまとめたマニュアルなどを作っておけば、新しく加わったメンバーでもスムーズに業務を把握できます。また、指導する側にとっても、新たなメンバーが加わるたびにマニュアルを作成する必要がなくなり、手間を省くことができます。
素早い意思決定が可能になる
情報共有をすることで、素早い意思決定がしやすくなります。何かトラブルが発生した際など、メンバーや上司の判断を仰がなくてはならない場合、普段から情報共有を行っているかどうかで意思決定の速度に大きな差が生じます。情報を共有できていないとトラブルの内容を一から説明する必要がありますが、情報が共有されていれば最低限の報告で済むからです。素早い意思決定は素早い問題解決につながり、業務を滞りなく進めることにつながります。
情報共有がうまくいかない原因
情報共有には多くのメリットがありますが、実践しようとしてもうまくいかない場合があります。その原因について解説します。
情報共有のメリットが伝わっていない
メンバーに情報共有するメリットが伝わっていなければ、情報共有は「余計な手間」として捉えられてしまい、うまくいきません。例えば、イベントの名刺交換で入手した顧客の情報が、自分にとっては価値がなくても、ほかのメンバーにとっては大きな価値があるかもしれません。しかし、その発想に思い至らなければ、わざわざひと手間をかけて名刺の情報を共有しようとはせず、ファイリングして引き出しに入れっぱなしにしてしまう可能性があります。情報共有を浸透させるためには、なぜ情報共有を行うのか、どのようなメリットがあるのかといった認識をチーム内ですり合わせておくことが重要です。
情報共有に関するルールが不明確
情報共有のためのルールを定めず、単に「情報共有をしよう」と呼びかけるだけでは、うまくいかない場合があります。例えば、営業活動で取引先の情報を得て、チーム内で共有するとします。共有方法が定まっていなければ、メールで共有するのか、チャットで共有するのか、報告書を提出するのかなどがわからず、メンバーは各自で思い思いの方法を採ってしまいます。共有したはずの情報を確認しようとしても、どこを確認すればいいのかわからず、せっかくの情報を活用できなくなくなってしまいます。
情報の内容によって、共有するために使うべき方法は異なります。どのような方法で情報を共有するのか、あらかじめしっかりとルールを設計しておくことが大切です。
情報共有の効率化のポイント
情報共有を効率的に行うにはどうすれば良いのでしょうか。4つのポイントをご紹介します。
情報共有の目的を明確にする
目的が曖昧な状態での情報共有は、メンバーにとって価値が感じられず、失敗に終わる可能性があります。そのような状況を避けるには、「何を目的に情報を共有するのか」を具体的に言語化して示すことが大切です。例えば営業部であれば、名刺情報を共有する目的を「人脈の見える化を図り、機会損失のリスクを最小化するため」と設定するなど、情報の種類や部署に応じて目標を具体的にすることも重要です。
情報共有ツールを導入する
ただ情報を共有するだけなら電話やメールでも可能ですが、共有した情報を可視化したり、チーム全体に蓄積したりするとなると、情報共有のための専用ツールを用いた方が効率的です。代表的な情報共有ツールには、タスク管理ツールやCRM、SFA、そして名刺管理ツールなどがあります。
情報共有のルールを明確にする
情報共有を浸透させ、効率化を図るには明確なルールを設けることがポイントです。どのような情報をどのように共有するのか、使用するツールはどれにするのか、情報を共有するタイミングはいつにするのかなど、情報によって共有と蓄積のルールを定めておくと共有がスムーズになります。
コミュニケーションをこまめに取る
情報共有をする上で大切なのは、こまめにコミュニケーションを取ることです。上司と部下の関係性が悪いなど、コミュニケーションが取りづらいチームでは、情報を共有しようという意識も生まれにくくなります。情報共有がうまくいかない場合は、チームの状況を見直し、コミュニケーションをこまめに取るような習慣づくりをすることも重要です。
効率的な情報共有ができる代表的なツール
続いては、情報共有ツールについて、代表的なものをご紹介します。いずれも特定の情報の管理や活用に特化しているツールですので、目的に合わせて使い分けることが重要です。
タスク管理ツール
タスク管理ツールとは、メンバーが抱えているタスクの状況を可視化し、管理するために活用するツールです。誰がいつまでに何をしなければならないのかをチーム全体で把握することで、業務や連携の円滑化、トラブル発生時の素早いサポートなどが可能になります。
CRMツール
CRM(Customer Relationship Management)とは「顧客関係管理」のことで、自社と顧客の関係構築のための取り組みを指します。そして、そのために利用するツールをCRMツールと呼びます。CRMツールを利用し顧客の情報を一元化することで、顧客に対する適切なサポートが可能になり、顧客満足度の向上や売上アップにつなげることができます。
SFA
SFA(Sales Force Automation)とは、「営業支援システム」と呼ばれる、主に営業部門が使用するツールのことです。SFAによって、営業活動に関する情報を集約することができます。営業先に対して何を提案しているのか、受注の見込みはどの程度なのか、商談の進捗状況はどうなっているのかなどの情報管理が可能です。
名刺管理ツール
名刺管理ツールとは、名刺をデータ化して社内で管理・共有するためのツールです。相手の名前や役職のほか、部署や連絡先など重要な情報が網羅されている名刺は、顧客管理において重要な情報源の一つです。しかし、名刺情報を手作業でデータベース化すると、作業工数がかかるだけでなく、入力ミスが生じる可能性もあるため、名刺管理ツールの活用がお勧めです。
組織全体で情報共有が可能!
営業支援 名刺管理サービス「SKYPCE」
営業支援 名刺管理サービス
営業支援 名刺管理サービス「SKYPCE(スカイピース)」は、スマートフォンで撮影したりスキャナーでスキャンしたりして取り込んだ名刺を、簡単にデータベースへ登録することができる名刺管理ツールです。名刺情報に紐づけて顧客や案件に関わる情報を蓄積し、可視化することが可能で、組織全体で手軽に情報共有することができます。
また、「Salesforce」と連携することで、「SKYPCE」から名刺情報を送ることもできます。さらに、情報セキュリティ対策ソフトウェアの「SKYSEA Client View」と連携すれば、名刺情報の取り扱いを操作ログで把握できるほか、名刺管理画面の画面キャプチャーを禁止したり、操作が一定時間ないと画面をロックしたりすることも可能で、より高いセキュリティ性を保ちながら名刺情報を管理できます。
円滑な情報共有のために、ぜひ営業支援 名刺管理サービス「SKYPCE」の導入をご検討ください。
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