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Sky株式会社

公開日2023.09.20更新日2023.12.19

複数名に対してメールを送る場合の宛名の書き方は? ポイントやシチュエーション別の例文まで解説

著者:Sky株式会社

複数名に対してメールを送る場合の宛名の書き方は? ポイントやシチュエーション別の例文まで解説

複数名に対してメールを送る場合、宛名などをどのように書けばよいか迷う場面があります。メールを開くと最初に目に入る宛名の書き方が誤っていると、相手に悪い印象を与えてしまう可能性もあります。この記事では、複数の宛先にメールを送る場合の宛名の書き方やビジネスメールとしてのマナーについてご紹介します。

ビジネスメールを複数名に送る際の宛名の書き方

メールを複数名に送る際の宛名の書き方について、ビジネスメールにおける宛名の書き方の基本と併せてご紹介します。

送信先が複数名の場合、宛名は役職が上の人から記載する

ビジネスメールの宛名には、次の順に正式名称を記述するのがマナーとされています。

  • 会社名
  • 部署名
  • 役職名(肩書)
  • 名前+様(敬称)

宛先が複数ある場合も、宛名の書き方はこの順となります。次のように役職が上の方から記載します。

株式会社□□□□□□
総務部
部長 ◯◯ ◯◯様
課長 ◯◯ ◯◯様
主任 ◯◯ ◯◯様

複数の企業に対してメールを送る際の宛名の書き方

宛先に複数の企業が含まれる場合は、それぞれの会社名と名前を、送信者との業務における関連性が高い会社から順に書くことがポイントです。例えば、直接の取引先と協力会社の両方にメールを送る場合は、こちらのように取引先、協力会社という順に記載します。

株式会社□□□□□□
総務部
課長 ◯◯◯◯様

株式会社△△△△△△
開発部
◯◯◯◯様、◯◯◯◯様

なお、同列の取引先が複数ある場合や宛先が3社以上になる場合は、メールをまとめて送信しないほうが丁寧な印象を与えられます。それぞれの会社へ個別にメールを送りつつ、別の取引先とも同様の内容を共有している旨を伝えると親切です。

社内において複数名にメールを送る際の宛名の書き方

社内で複数名にメールを送る際は、部署名の後に役職順で名前を記載します。もし同じ役職の人が複数名いる場合は、メールの用件に関わりが深い方から順に記載するのが一般的です。名前に添える敬称に「様」を使うのか「さん」を使うのかは、会社によって違います。

社内で複数名に対してメールを送る際の宛名の書き方

社内の複数名に対してメールを送るときの一例としては、次のような宛名の書き方が一般的です。

  • 営業部
    ◯◯部長、△△さん

  • 営業部
    ◯◯主任、△△主任

宛先が大人数の場合の宛名の書き方

大人数にメールを送信する場合には、宛名に「各位」を用いることもあります。各位は、次のように使います。

  • 各位
  • 関係者各位 -◯◯部各位
  • ×××プロジェクト関係者各位

なお、「お客様各位」という表現は誤りですのでご注意ください。「各位」が「皆さま方」を意味する敬称に当たるため、「様」と「各位」を続けて使用すると敬称が重複してしまいます。例えば複数の顧客宛ての場合は「取引先各位」のような表現を使います。

また、「部長」や「係長」といった役職名も敬称に含まれます。「株式会社◯◯ 営業部 部長様」という書き方も、敬称が重複していることになりますのでご注意ください。この場合は「株式会社◯◯ 営業部 部長 ◯◯様」という書き方をするのが一般的です。

宛先に社外と社内の方が混在している場合の宛名の書き方

宛先に社外の方と社内の人が両方含まれている場合は、次のような書き方ができます。

株式会社◯◯
◯◯◯◯様
(CC:△△△△様、弊社××)

また、社外と社内が混在する宛先にメールを送信する場合は、必ず社外の人から宛名を記載します。社内に対しては、役職者や目上の相手であっても敬称をつけないのがマナーです。

なお、ここの例の中の「CC」については、後述の「CCやBCCを活用する」で詳しくご紹介します。

相手との関係によって宛名の書き方を使い分ける

宛名の書き方はいくつかのパターンがあります。相手との関係性やメールをやりとりする頻度や回数によって使い分けられます。

次の表は、上から順に丁寧な書き方となり、下になるほど砕けた書き方となっています。

株式会社◯◯
総務部 課長 渡辺健太様
役職者にメールを送る際の最も丁寧な書き方
株式会社◯◯
総務部 渡辺健太様
一般的によく使われる書き方
株式会社◯◯
渡辺様
何度もメールをやりとりしている人に宛てる際の書き方
渡辺さん 社内の人に宛てる際の書き方

会社名を書く際は前株や後株、略称を使わず正式名称で書くことが基本です。

CCやBCCを活用する

複数の相手にメールを送信する際によく使われるのが「CC」と「BCC」です。CC、BCCはメールの宛先の一種で、通常の宛先(TO)とは区別して使われています。

CCは、送信したメールの内容を宛先(TO)以外の関係者に把握しておいてほしいといった目的で使われます。BCCも、CCと同様にメールの内容を宛先(TO)以外の関係者に把握してほしい場合に用いられますが、BCCに設定したメールアドレスは本人以外の受信者には表示されません。

▼BCCについて詳しくは、こちらの記事をご覧ください BCCを使ってメールを一斉送信する際の例文を紹介!送信時のマナーや注意点も解説

▼Outlookを利用している方は、こちらの記事をご覧ください OutlookでBCCを使ったメールの送り方は?ケース別に手順を紹介

CCに設定した相手の宛名の書き方

CCに設定した相手を宛名に含めて書く際は、次のような書き方が一般的です。

株式会社◯◯
営業部 ◯◯◯◯様
(CC:△△△△様、××××様)

なお、CCに設定した方の役職が宛先(TO)の方よりも上位だった場合でも、宛先(TO)の宛名を先に書き、その後にCCの方の名前を書くようにします。

BCCに設定した相手の名前は、宛名に含めない

一般にBCCを用いて送られるメールは、キャンペーンに案内など面識のない方同士を送信先にして一度に送る場合や、複数の競合企業に対して相見積もりを依頼するときなど、ほかの送信先の会社名等を知らせたくないという場合などに用いられます。

BCCに設定して送信されたメールアドレスはほかの受信者には表示されないため、BCCに設定した相手の名前は、宛名に含める必要はありません。

特殊なケースの宛名の書き方

ここでは、特殊なケースでの宛名の書き方をご紹介します。頻繁に起きることではありませが、これらの例を知っておけば、いざというときに迷うことなくメールが作成できます。

同じ名字の方が複数いる

メールの宛先に同じ名字の人が2人以上いる場合は、全員の名前をフルネームで記載すると相手にも伝わりやすいです。また、名前をフルネームで記載する場合は、一部の方のみをフルネームで記載するのではなく、全員の名前をフルネームにすることで丁寧な印象を与えられます。

同じ役職の方が複数いる

先述の「社内において複数名にメールを送る際の宛名の書き方」のとおり、宛先に同じ役職がいる場合、宛名はメールの用件や業務上の関わりが深い方を先に記載するとよいでしょう。なお、この書き方は一般的な方法ではありますがマナーとされているものではありません。状況に応じて柔軟にご判断ください。

相手の名前が不明

相手の名前がわからない状態でメールを送らなければならない場合は、次のように名前の部分に「ご担当者様」と書きます。

株式会社◯◯
人事部
ご担当者様

なお、「各位」を使う場合に「ご担当者様各位」とすると敬称が重複してしまうため、「ご担当者各位」と記載します。

併せて覚えておきたいビジネスメールのマナー

ビジネスメールの宛先が複数名になることは、社内、社外を問わずよくあります。ここでは、状況に応じた適切なメールの書き方をご紹介します。

宛名の後に、あいさつと送信者の情報を記載する

ビジネスメールでは、基本的に本題へ入る前にひと言あいさつを書き添えます。社内宛なのか社外宛なのかによって、それぞれ適切なあいさつ文と自己紹介を使うことが大切です。

社内の関係者宛てメールのあいさつ文の

社内の関係者宛てにメールを送る際は、次のようなあいさつ文を使うことが多いです。

  • お疲れさまです。◯◯部の◯◯です。
  • おはようございます。◯◯部の◯◯です。

社外の取引先宛てメールのあいさつ文の

社外の取引先宛てにメールを送る際は、次のようなあいさつ文があります。

  • 大変お世話になっております。
    株式会社◯◯ ××部の◯◯でございます。
  • お世話になります。
    株式会社◯◯ ××部の◯◯と申します。

複数名宛のメールで、特定の相手にのみ用件を伝える際の書き方

複数名にメールを送信した際に、送信先の中の特定の方に対してのみ伝えたい用件があるというケースもあります。特定の相手を名指ししたい場合は「>」がよく用いられます。マナーではありませんが覚えておくと便利です。例えば、次のような書き方になります。

株式会社◯◯
営業部
◯◯◯◯様、△△△△様
(CC:××××様)

お世話になっております。 ◯◯株式会社の××でございます。

~~
~~

>△△様
・・・の件につきましては、

~~
~~

引き続きよろしくお願い申し上げます。

シチュエーション別のビジネスメールの書き出し例文

ここでは、シチュエーション別にビジネスメールの書き出しをご紹介します。

初めて連絡を取る相手の場合

面識のない方にメールを送るときは「お世話になっております」など、すでに関係性のある相手に対する言葉を使わないようにご注意ください。初めて連絡を取る場合のメールの書き出しとしては、次のような例が挙げられます。

  • 突然のメールを差し上げますこと、失礼いたします。
    株式会社◯◯ ××部の◯◯と申します。
    このたびはお問い合わせいただきまして、誠にありがとうございます。

  • 突然のご連絡失礼いたします。
    株式会社◯◯ ××部の◯◯と申します。
    このたびは弊社の資料をダウンロードいただきまして、誠にありがとうございます。

  • このたびはお世話になります。
    株式会社◯◯ ××部の◯◯と申します。

2回目以降の連絡の場合

2回目以降のメールでは「お世話になっております」を使います。また、相手との関係性が深まっている場合は、部署や役職名を省略することもあります。2回目以降の連絡をする際のメールの書き出しは、次のような例が挙げられます。

  • 大変お世話になっております。
    株式会社◯◯ ××部の◯◯でございます。

  • いつもお世話になっております。
    株式会社◯◯ ××部の◯◯でございます。

  • 平素よりお世話になっております。
    株式会社◯◯ ××部の◯◯でございます。

相手からの返信が届いた後に、さらに返信する場合

取引先などから返信のメールが届いた際、さらにそのメールに返信するときは、メールの冒頭に返信してくださったことへのお礼を書くことがマナーです。「早速の」といった言葉を書き添えると、さらによい印象となります。先方からのメールに返信する際の書き出しとしては、次のような例が挙げられます。

  • ご連絡いただきまして、誠にありがとうございます。

  • 早速のご返信、誠にありがとうございます。

  • ご返信くださいまして、誠にありがとうございます。

お礼を伝える場合

打ち合わせや商談への参加など、取引先に何か対応いただいたときのメールでは、冒頭に感謝の気持ちを述べることが大切です。メールでお礼を伝えるときの書き出しとしては、次のような例が挙げられます。

  • 迅速にご対応いただき、誠にありがとうございます。

  • このたびは貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございます。

  • このたびはお力添えいただきまして、誠にありがとうございました。

謝罪をする場合

メールでおわびをする際は、具体的な謝罪内容に触れる前に、冒頭でおわびの気持ちを伝えます。また、相手がメールを読み進めるなかで不快感を覚えないよう、配慮した言葉選びを心掛けることが重要です。メールで謝罪する際の書き出しとしては、次のような例が挙げられます。

  • 私の不注意により、関係者の皆さまには多大なるご迷惑をお掛けしましたこと、謹んでおわび申し上げます。

  • このたびは、多大なるご迷惑をお掛けしてしまい、大変申し訳ございません。

  • このたびは私の不手際により、ご不安な思いをさせてしまったことを心よりおわび申し上げます。

社内で上司に対して連絡する場合

社内の関係者や上司に連絡するときは、一般的に「お疲れさまです」というあいさつを書き添えます。メールを送信する時間帯によって書き出しを工夫すると、さらによい印象となります。社内の関係者や上司への連絡での書き出しとしては、次のような例が挙げられます。

  • おはようございます。◯◯部の◯◯です。

  • お疲れさまです。◯◯部の◯◯です。

  • お疲れさまです。業務時間外のご連絡となり失礼いたします。◯◯部の◯◯です。

社内で上司に報告する場合

まずは、先述した「社内で上司に対して連絡する場合」と同様に「お疲れさまです」+「部署名」+「名前」と書き出します。さらに報告を行う際は、件名を「プロジェクトの進捗の件におけるご報告」「見積書の完成報告」といった書き方にし、何に関する報告なのかを簡潔に示すことがポイントです。

社内・上司への相談

まずは、先述した「社内で上司に対して連絡する場合」と同様に、「お疲れさまです」+「部署名」+「名前」と書き出します。相談のメールを送る際も、件名に「◯◯の件でのご相談」「◯◯社に関するご相談」というように相談内容を簡潔に示すことが大切です。

メールの宛名でよくあるミスとその対処法

メールに宛名を記載するに当たり、よく起きるミスをご紹介します。特に注意すべき点についてもご紹介しますので、ぜひご参考にしてください。

名前を書き間違える

相手の名前や会社名を書き間違えるミスはよく起こります。漢字や大文字、小文字の表記を間違えるだけでなく、誤って他人や他社の名前を書いてしてしまうケースも少なからずあります。名前の間違いは大変な失礼に当たり、相手に不快な思いをさせてしまう恐れがあるため、メールの送信前には宛名に間違いがないかを慎重に確認することが重要です。

宛名を書き忘れる

同様に宛名を書き忘れも多いミスです。宛名が記載されていないと受信した相手が「これは誰に宛てたメールなのか」「本当に自分宛てのメールで間違いないのか」といったように混乱してしまう恐れがあります。メールの送信前に、宛名が書かれているか、宛名に含む名前に漏れがないかをよく確認する必要があります。

敬称のつけ忘れや誤用

急を要する用件でメールを送るときなどで慌てて文章を作成すると、「様」や「各位」などの敬称をつけ忘れたり、敬称の種類を間違えたりするミスが起こりやすくなります。また、送信済の既存メールから文章をコピー&ペーストして作成するようなときも、書かれていた敬称を消してしまうというミスをすることがあります。

作成したメールは送信前に、宛先や件名、本文に誤りがないかを確認するとともに、宛名の敬称を誤用していないか、重複していないかを確かめることが大切です。

CCやBCCの設定ミス

CCやBCCを誤って設定することは、特に気をつける必要があります。BCCで送信するつもりのメールをCCで送ってしまうと、本来は隠しておくべき受信者のメールアドレスがすべての受信者に公開されてしまうことになるため、個人情報の漏洩として扱われる恐れもあります。メールを送信する際は、CCとBCCに設定されたメールアドレスに間違いがないかを必ず確認してください。

メールの宛名の書き方についてよくある質問

メールの宛名を書く際に、よく浮かぶ疑問について解説します。

宛名に「殿」を使用してもいい?

「殿」は、自分と同等または目下の相手に対して使う敬称です。目上の方に対して「殿」を使うと失礼に当たるのでご注意ください。基本的には、相手が目上なのか目下なのかに関係なく使える「様」の方が無難だといえます。

社長にメールを送る場合はどう記載したらよい?

「社長」という役職名が敬称となるので、社内で社長宛てにメールを送る際も「◯◯社長」と名前に「社長」とつけるだけで問題なく「様」は不要です。ただし、社長に対する宛名の書き方は会社によって違いますので、あらかじめ社内のルールや慣習を確認しておくことが大切です。

宛名はフルネームのほうがよい?

先述した「相手との関係によって宛名の書き方を使い分ける」でもご紹介したとおり、宛名はフルネームで記載した方がより丁寧な表現となります。そのため、初めてメールを送る相手や、これから信頼関係を築いていくという段階の相手にメールを送る際は、フルネームを書いた方がよい印象を抱いてもらいやすくなります。

名前に旧字体が含まれている場合の対応は?

例えば「髙橋」「櫻井」「山﨑」など名前に旧字体が含まれている人もいます。これらの旧字体をメールの文中に用いると文字化けしてしまうこともあります。

ただ、名前の表記にこだわりがある方の場合、旧字体を新字体に直すと「自分の名前が間違って覚えられている」と受け取る可能性もあります。逆に、最初のあいさつのときや初めてメールを送信する際に字体表記について確認しておくと、丁寧な対応だと感じてもらうことにつながります。

「御中」の使い方は?

個人宛てのメールを送信する際、名前の後に「様」をつけるのと同様に、「御中」は宛先が企業や団体などの組織の場合に用いられる敬称です。(株式会社◯◯ 御中など)

ビジネスメールの宛名を英語で書く場合の記載方法は?

英語でビジネスメールを送る場合の宛名の書き方は、次のとおりです。

相手の名前がわかっている場合 Dear Mr(Ms). ◯◯(ファミリーネーム=名字),
ある程度の信頼関係が築けている相手 Mr(Ms). ◯◯(ファミリーネーム=名字),
相手の役職のみわかっている場合 Dear ◯◯◯(役職名),
担当者がわからない場合 Dear Sir or Madam,
または
To whom it may concern,

まと

この記事では、複数の宛先に対してメールを送る場合の宛名の書き方についてご紹介しました。メールを受け取った相手が不快な思いをしないよう、宛名の記載に間違いがないか、敬称は正しく使っているかなど、送信前にしっかりと確認することが大切です。この記事でご紹介した、シチュエーション別の書き出しの例文やビジネスメールのマナーなども参考にしていただければ幸いです。