データドリブンマーケティングとは? 意味やメリット、実践の5ステップを解説

近年、経験や勘に頼らず、客観的なデータに基づいて意思決定を行う「データドリブンマーケティング」が注目されています。獲得したデータを有効活用しビジネスを効率的に成長させるには、「目的の明確化」と「顧客データ基盤の整備」が不可欠です。本記事では、その意味や目的、メリット・デメリットに加え、実践手順から成功のポイントまでわかりやすく解説します。
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データドリブンマーケティングとは?
データドリブンマーケティングとは、マーケターの直感や経験則による判断で意思決定をするのではなく、顧客の行動履歴や購買データなどの客観的なデータに基づいて施策を立案したり、経営企画の意思決定をしたりするマーケティング手法のことです。従来の手法と比べ、意思決定における客観性および効果の再現性が高いことが特徴です。
「データドリブン」は「データに基づいたアプローチ」という意味です。データを根拠にPDCAサイクルを回すことで無駄なコストを抑え、投資対効果(ROI:Return On Investment)の最大化を図ります。
データドリブンマーケティングが重視される背景
データドリブンマーケティングが重視される背景は2つあります。1つ目は、インターネットやスマートフォン、SNSなどが普及し、顧客の購買行動が多様化・複雑化したことです。顧客が自ら情報収集して購買行動を決定するケースが大幅に増え、市場動向などのデータを根拠に判断し、迅速に顧客のニーズを把握する重要性が高まりました。
2つ目は、Webアクセス解析ツール、CRM、MAといった業務効率化ツールの普及で、オンライン・オフラインにかかわらず、顧客とのあらゆる接点のデータを取得・活用しやすくなったことです。昨今はDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の流れから、データに基づく意思決定が一般化しています。競合他社との競争で優位に立ち、施策の成果を高めるには、各種ツールを活用した上でより顧客のニーズを捉えたマーケティングを行う必要が出てきています。
データドリブンマーケティングの目的
データドリブンマーケティングの目的は、顧客の行動や好みなどを数値化して分析し、正確に理解・把握した上で自社に対する関心度や抱えているニーズに合わせた最適なアプローチを行うことです。また、こうしたデータに基づく意思決定によって施策の精度を高め、投資対効果(ROI)の最大化を図ることも目的の一つです。
データの収集自体を目的にするのではなく、収集したデータを適切に分析し、施策の成果につなげるという点が重要です。
データドリブンマーケティングのメリット
データドリブンマーケティングに取り組むメリットは、主に次の3つです。
- 投資対効果(ROI)を高められる
- 客観的なデータに基づき意思決定できる
- 顧客理解が深まり最適なアプローチができる
従来の手法では担当者間の引き継ぎや分析の遅れが課題になりがちでしたが、客観的なデータを組織全体で共有することで属人化を解消し、スピーディーかつ効率的な分析が期待できます。
投資対効果(ROI)を高められる
データドリブンマーケティングでは、データに基づきトライアンドエラーを繰り返します。施策の効果でどれだけの利益を得られたかを測定し、客観的な数値を通じて分析することで、効果のある施策に対してのみリソースを集中させて利益率を高められます。また、成果の出ない施策の特定にも有用です。そのような期待できない施策へのリソース投入を避けて、投資対効果(ROI)を最適化し、限られたリソースで成果を最大化することにつなげられます。
客観的なデータに基づき意思決定できる
客観的なデータに基づいて施策を展開することで属人化を防ぎ、たとえ担当者が変わっても組織として再現性のある意思決定が可能となります。また、施策の複数パターンの効果を数値で捉える「A / Bテスト」などの定量的な検証を活用することで、成果に影響する要素を明確化できます。こうした検証で得られた数値の結果を生かし、PDCAサイクルを迅速に回すことも可能です。
顧客理解が深まり最適なアプローチができる
購買履歴や行動データなど複数の情報を組み合わせることで、顧客の潜在的なニーズまで正確に把握できるようになります。年齢や性別などの属性に基づいた的確なセグメント分類を行うことで、最適なパーソナライズが可能になり、顧客体験やロイヤルティの向上につながります。
データドリブンマーケティングのデメリット
質の高い分析には、一定のデータ量と整理されたデータ環境の準備が不可欠です。加えて、収集したデータの分析を行う統計のプロフェッショナルを確保する必要があります。そのため、社内の人材育成や新規採用などの人的コストが発生する点には注意が必要です。
また、データドリブンマーケティングを効率的に進めるために新規ツールを導入したり、既存のデータを統合したりする場合は、初期コストの発生やツール利用に関するルール整備の工数がかかる可能性も考えられます。
データドリブンマーケティングを実践する5つのステップ
データドリブンマーケティングをしっかりと成果につなげるためには、次の5つのステップを順に進めるのが望ましいです。なお、ステップ2~5に関してはサイクルとして継続的に繰り返し行います。
- 目的・KPIの設定
- データの収集
- データの可視化と分析
- 施策の立案と実行
- 効果測定
1.目的・KPIの設定
まずは、最終目標であるKGI(重要目標達成指標)の実現に必要なKPI(重要業績評価指標)を明確にし、適切なKPIツリーを組み立てます。目的が曖昧な状態では収集対象のデータが定まらない上、分析結果も成果につなげられなくなります。
目標設定の際は、「SMARTの法則(具体的、測定可能、達成可能、関連性、明確な期限)」などのフレームワークを参考に、具体的で測定可能なKPIを設定するのがポイントです。 営業活動におけるKPIの詳細に関しては、ぜひこちらの記事をご覧ください。
2.データの収集
目的・KPIの設定後は、SFA(営業支援システム)など、直接顧客とやりとりした情報が記録されたツールのデータやPOSデータ、SNS上に存在するデータなどを収集します。オンライン・オフラインを問わず集めたデータを統合し、顧客の行動を複数の観点から全体的かつ具体的に把握することが重要です。
ただし、すべてのデータを集めようとすると、かえって無駄な統合作業が発生する可能性もあります。収集対象は目的・KPI達成に必要なデータに絞り、効率的に抽出・管理できるようツールの運用ルールを整備することが重要です。SFAの使い方や導入プロセスなどについては、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
3.データの可視化と分析
次に、集約したデータを可視化し、分析します。グラフなどで可視化したデータからビジネス戦略を考える上で重要なインサイト(仮説)を導き出すのがポイントです。「どういった年代の人が、どのチャネルからリピート購入しているか」といった施策成果に関わる情報を整理し、傾向や課題を見いだします。
分析にはデータサイエンティストなどの専門スキルを有した人材を確保するのが望ましいですが、社内人材の育成は難しいケースも少なくありません。解決策としては、アウトソーシングのほか、AIによる分析が挙げられます。例えば、AI機能を搭載したBI(ビジネスインテリジェンス)ツールを活用すれば、グラフ化から分析までを自動化することが可能です。
4.施策の立案と実行
分析結果に基づいて導き出したインサイトを、最適なターゲット層、コンテンツ内容、アプローチ方法に取り入れ、具体的なアクションとして実行します。ここでは、インサイトをアクションの内容にどれだけ落とし込めるかがポイントです。
例えば、分析から「商品Aの購入者は、数か月後に商品Bを購入する傾向がある」というインサイトが得られたとします。この場合、「Aの購入者に対し、数か月後にBの案内メールを自動送信する」といった、データに基づく根拠のある施策立案が可能です。
5.効果測定
アクションの反応を数値で記録し、効果測定を行います。例えば、メール開封率などのデータを検証し、KPIに対してどれだけ成果が近づいたかを確認します。また、効果測定の結果を基に課題を見つけ、次回の施策に改善点を生かすPDCAサイクルを回すことが重要です。
こうして得られたノウハウを自社の資産として蓄積するとともに、ステップ2~5を繰り返して施策の再現性と確度をさらに高めていくことが必要です。
データドリブンマーケティングを成功させるポイント
データドリブンマーケティングを成功させるポイントは、次の5つです。
- データのサイロ化を解消する
- スモールスタートで始める
- 目的を見失わないようにする
- データ活用の文化を全社で作る
- 社員のデータ活用スキルを高める
データドリブンマーケティングは、組織全体で取り組むことが重要です。営業部門やマーケティング部門などが横断的に連携することで、データに基づいた確度の高い意思決定を行うことができます。
データのサイロ化を解消する
データドリブンマーケティングを成功させるポイントの一つは、「データのサイロ化」を解消し、顧客データを一元管理することです。サイロ化とは、部署・部門ごとにデータが分断していたり、社内で顧客情報が散在していたりして連携が取れていない状態を指します。こうした状態の場合、データを網羅できず、顧客像を正確に把握できなくなる可能性があります。
スモールスタートで始める
データドリブンマーケティングは、組織全体を巻き込んで大規模に立ち上げるのではなく一部の部署やチームなどから始めるのがお勧めです。スモールスタートとすることで、PDCAサイクルを短期間で回しやすくなったり軌道修正がしやすかったりするため、データ活用の定着が期待できます。こうした小さな成果の積み重ねは、社内全体にデータ活用の重要性を浸透させ、全社的な取り組みへと発展させることにつながります。
目的を見失わないようにする
データの収集や分析自体が目的とならないよう、KGI・KPIを常に念頭に置き、成果につながるようなデータ活用を意識していくことも大切です。サイロ化の解消に役立つCDP(カスタマーデータプラットフォーム)、DWH(データウェアハウス)などのツールをコストをかけて導入したにもかかわらず、データ収集・分析でとどまって最適なアプローチまでつながらないという状況は避けなければなりません。
データ活用の文化を全社で作る
営業・開発・カスタマーサポートなど、マーケティング担当以外の部署やチームも巻き込み、組織全体でデータ活用を行う意識を持つことも必要です。特に、経営層は先駆けてデータ活用に対する意識を変え、データ活用の文化が浸透するようにトップダウンで組織を変化させていく必要があります。これは、各部門に存在するデータの統合を推進する際、現場の混乱をなるべく抑えつつ、効率的な推進につなげるためです。
まずは、部門間の垣根を越えたデータ共有ができる環境づくりを進め、組織全体で目標達成に向けて協力し合える体制を醸成することが大切です。
社員のデータ活用スキルを高める
データを読み解き、施策に生かせる人材がいるかどうかは、データドリブンマーケティングの成果に大きく影響します。データ活用におけるスキル不足を補う手段として、人材の新規採用、外部人材の活用などが挙げられますが、たとえ現状の担当者に高度な専門スキルがなくても、ツール導入によって不足箇所を補ったり、社内研修などで学習の機会を設けたりしてデータ活用能力を底上げする環境が整えば、成果につなげることができます。
データドリブンマーケティングの土台となる「顧客データ基盤」の整備
データドリブンマーケティングの精度を高めるためには、正確な情報が一元化された顧客データの基盤が不可欠です。こうした基盤の土台づくりや整備に役立つツールの一つが、CRMです。顧客の名前から購買履歴まで、さまざまな顧客情報を一元管理することで、部門間で情報を共有するときに役立ちます。
また、MAも併せて活用することで、新商品のリリースや定期的なメールマガジンの一斉配信などが可能です。こうしたツールを活用すれば、データドリブンな施策を進める上で必須となる基盤づくりや効率的なアプローチにつなげられます。しかし、どれほど優れたツールを導入しても、基盤となる顧客データに誤りや重複があれば、施策の効果は半減してしまいます。特に、信頼性が高い一次データである「名刺情報」は顧客データの基盤づくりの起点として役立ちます。
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SKYPCEの導入事例として、SKYPCEをご利用いただいているユーザー様に、導入を検討された経緯や導入後に得られた効果などについてお話を伺った記事を公開しています。ここでは、その中から3件の事例をピックアップして、記事の内容を一部抜粋してご紹介します。
【導入事例】リーンマーケティング株式会社 様
導入前の課題
業務で得た名刺は、各人が無料の個人向け名刺管理サービスを使用してデータ化していました。その情報を営業活動に利用するには、名刺情報をCSV形式のデータで出力し、手作業で統合する必要があったため、フローを合理化したいと考えるようになりました。
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SKYPCE導入事例:「リーンマーケティング株式会社 様」より一部抜粋
【導入事例】ウェブスペース株式会社 様
導入前の課題
当社では従来、主に飛び込み営業や既存のお客様からのご紹介で新規顧客の開拓を行ってきました。しかし、DXが進む現代において継続的な売り上げ増加を目指すには、メール配信などを活用したデジタルマーケティングの強化は不可欠だと考えています。そこで、社内プロジェクトを立ち上げ、新しいツールの導入も含めてさまざまな施策に取り組んでいくことになりました。
導入後の効果
これまでは、会場でいただいた名刺を営業事務が手作業でリスト化し、各営業担当に展開。その後、営業担当がリストを使って電話をかけたり、メールを送ったりしてアプローチしていました。「SKYPCE」導入後は、展示会でいただいた名刺をまとめてスキャンし、名刺データを活用して「SKYPCE」からご来場御礼メールを配信しています。
SKYPCE導入事例:「ウェブスペース株式会社 様」より一部抜粋
【導入事例】株式会社栃木シンコー 様
導入前の課題
当社が名刺の管理方法について意識し始めたのは、社内でフリーの名刺管理ツールの利用が散見されるようになったことがきっかけでした。名刺はお客様からお預かりした個人情報です。また、個人ではなく“当社の従業員”に対して渡されたものであるという考えから、名刺を会社の資産として安全に管理する手だてが必要でした。
導入後の効果
導入後、新たに名刺交換したお客様の情報は、すべて「SKYPCE」から「Salesforce」に連携することで、精度の高いデータを活用できるようになりました。また、約2年前から、新たな取り組みとして展示会への出展を行っており、出展頻度を増やしていく計画もあります。紙のちらしを配布したり、営業担当者がメールを送信したりしてお客様への案内を行っていますが、手間がかかる上、メールには誤送信のリスクもつきものです。そこで、「一斉メール配信」機能を活用し、案内を強化・効率化していきたいと考えています。
SKYPCE導入事例:「株式会社栃木シンコー 様」より一部抜粋