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Sky株式会社

公開日2024.04.12

ハイタッチ営業(ハイタッチセールス)とは? コツや手法を解説

著者:Sky株式会社

ハイタッチ営業(ハイタッチセールス)とは? コツや手法を解説

情報収集の手段が多様化し、顧客の購買行動も変化している昨今、ビジネスシーンで注目されている営業手法が「ハイタッチ営業」です。ハイタッチ営業に取り組むことで、顧客の潜在ニーズを掘り起こしたり、顧客との長期的な関係構築の強化を図ることが可能です。この記事では、ハイタッチ営業の概要とメリット、成功のポイントやお勧めのツールについて解説します。

ハイタッチ営業とは、企業が顧客と直接取引を行う営業手法のこと

ハイタッチ営業とは、代理店を通さずに企業が顧客と直接やりとりをして取引を行う営業手法のことです。ハイタッチとは、スポーツなどでよく見られる動作で、お互いが手と手を高く上げて勢いよく合わせるようにたたく行為を指します。スポーツでのハイタッチは得点したときや連携がうまくいったときなどにお互いを称賛する意味で行われますが、ビジネスにおけるハイタッチ営業も同じく「企業と顧客がハイタッチできるくらいの信頼関係を築く」ことを目指して行われます。

ハイタッチ営業を行うメリット

ハイタッチ営業は、代理店営業と比べて販売網を広げにくいなどのデメリットもありますが、顧客ニーズを把握しやすいというメリットもあります。代理店営業の場合でも、顧客の声を代理店から聞くことでニーズを把握することは可能ですが、ヒアリング内容を報告してもらうタイミングが遅くなり、ニーズの把握に時間がかかるケースもあります。企業が顧客と直接つながるハイタッチ営業であれば、顧客の声を直接収集でき、ニーズを把握するスピードも早く、的確に要望を捉えられます。また、代理店に営業を依頼する際に必要な、自社商品・サービスに関するレクチャーや資料提供などの工数を削減することも可能です。

顧客の信頼を得られる

ハイタッチ営業は企業と顧客が直接やりとりをする分、信頼関係を構築しやすいメリットがあります。特にさまざまな商品・サービスがコモディティ化している昨今では、「何を買うか」よりも「誰から買うか」が重要です。その意味でも、顧客との信頼関係を構築しやすいハイタッチ営業のメリットは大きいといえます。

工数削減につながる

営業活動における工数が削減できることも、ハイタッチ営業のメリットの一つです。代理店営業を行う場合は、代理店担当者に自社の商品・サービスについて詳細をレクチャーする必要があり、そのための資料作成やプログラム制作などの教育コストが発生します。しかし、ハイタッチ営業であれば、それらにかかる工数を削減することが可能です。

ハイタッチ営業を成功させるためのコツ

ハイタッチ営業を成功させるには、いくつか押さえておくべきポイントがあります。ここでは、ハイタッチ営業を成功させるための3つのコツを紹介します。

顧客の話をしっかりと聞く

ハイタッチ営業を成功させるコツは、顧客の話をしっかりと聞くことです。前述したように、ハイタッチ営業では、顧客のニーズを直接聞いて信頼関係を築き、「この人(この会社)から買おう」と思ってもらえることが大きなメリットです。また、顧客ニーズをいち早く新たな商品開発や改善につなげる目的もあります。これらは、いずれも顧客の話にしっかりと耳を傾けなければ実現できません。顧客が何に悩んでいるのか、何を解決したいと考えているのかを聞き出すことが、ハイタッチ営業のスタート地点となります。

ヒアリングに関するスキルを磨く

ヒアリングのスキルを磨くことも、ハイタッチ営業を成功させるコツの一つです。前述した「顧客の話を聞く」ためには、ヒアリングのスキルが不可欠です。というのも、顧客は必ずしも自らのニーズを把握できているわけではなく、把握できていたとしてもうまく言語化できるとは限らないからです。

優れた営業担当者は顧客の話に耳を傾けるだけでなく、顧客が潜在的に抱えているニーズに気づき、それを顧客の言葉で引き出します。こうしたヒアリングを行うことなく、ただ自社の商品・サービスをアピールしても顧客の心には響きません。すでに述べたように、ハイタッチ営業のポイントは、顧客の信頼を得ることです。まずは信頼関係の構築を目指して、顧客に寄り添うよう心掛けることが大切です。

アフターフォローを徹底する

ハイタッチ営業を成功させるコツとして、顧客のアフターフォローを徹底することも挙げられます。顧客との間で契約が成立したからといって、そこで連絡が途絶えてしまうようでは、顧客の信頼を損ねる恐れがあります。商品やサービスを提供した後もサポートなどのアフターフォローを徹底し、定期的な連絡を欠かさないようにすることで、顧客との関係性をより強固に保つことができます。

ハイタッチ営業にお勧めの営業手法とフレームワーク

顧客にはいろいろなタイプの人や会社があり、毎回同じ営業手法ではうまくいかない場合もあります。そんなときに活用したいのが営業のフレームワークです。ここでは、ハイタッチ営業を行う上で、いくつか知っておくと便利な営業手法やフレームワークをご紹介します。

インサイト営業

顧客が求めるものをそのまま提供するのではなく、顧客自身もまだ気づいていないニーズを掘り起こし、それに合った商品・サービスを提案する営業手法がインサイト営業です。

インターネットが普及する前まで、顧客は自社の課題は認識していても、解決方法までは把握していないことがほとんどでした。そのため、営業担当者は顧客の課題解決につながる商品・サービスを提案すれば受注につなげられました。しかし、今は顧客自身がインターネットなどで容易に情報を得られる時代です。営業担当者がアプローチする前から、顧客は「どのような商品・サービスが課題解決に必要なのか」を認識しており、すでに比較検討の段階まで済ませていることも少なくありません。

すでに顧客が理解している内容について提案を行っても、顧客からしてみれば「そんなことはわかっている」わけですから、信頼を得ることは困難です。そこで重要になるのが、顧客自身も気づいていない潜在的なニーズを掘り起こして商品・サービスを提案するインサイト営業です。インサイト営業により顧客の信頼を勝ち取ることができれば、顧客と長期的な関係性を構築できる可能性が高まります。

SNAPセリング

営業担当者が顧客と同じ目線に立って提案を行う手法をSNAPセリングと呼びます。このとき、営業担当者が心掛けるべきなのが、「keep it Simple(シンプルに)」「be iNvaluable(唯一無二の存在に)」「always Align(足並みをそろえて)」「raise Priorities(優先度を高めて)」という4つのポイントです。

SNAPセリングを提唱したJill Konrath氏によると、顧客の行動は「買うか買わないか」の2択ではなく、それ以外に「営業担当者の接触を許すかどうか」「現状を変えるかどうか」「リソースを変えるかどうか」という3つの選択肢があるといいます。これらの3つの選択をすべて乗り越えた上で、初めて「買うか買わないか」の土俵に持ち込めるのです。

SPIN話法

1995年にイギリスの行動心理学者、ニール・ラッカム氏が提唱したフレームワークがSPIN話法です。SPINとは、「Situation(状況に対する質問)」「Problem(問題を明らかにするための質問)」「Implication(解決の重要性を示す質問)」「Need-payoff(問題を解決するための質問)」の頭文字を取ったものです。

例えば、経理ソフトウェアの営業担当者であれば、まずは「現在、経理業務はどのように行っていますか?」と状況確認を行い、次に「その方法ではどんな課題がありますか?」と問題を明らかにする質問をします。さらに、「その方法を続けていると、経理担当の残業が増えて従業員満足度が下がってしまいませんか?」と問題を解決することの重要性を示し、「弊社のサービスを導入いただければ、経理業務が大きく改善できると思いませんか?」と論理立てて提案を行います。このように、SPIN話法というフレームワークを活用したロジカルな提案は、顧客からの信頼を得る上で効果的です。

チャレンジャーセールス

インサイト営業のさらに先を行く営業手法が、チャレンジャーセールスです。チャレンジャーとは、顧客に対して下手に出るのではなく、むしろスペシャリストとして先導するような議論を展開する営業担当者のことです。チャレンジャーは顧客の悩みに共感しつつも、時には指導し、顧客の組織内で共感を得るために適応しながらセールスを行います。深い知識や高い共感力、顧客の課題を言語化するスキルなどが必要となるため、誰にでもできるわけではありませんが、もしチャレンジャーセールスを実現できれば、ハイタッチ営業の強力な武器となることは間違いありません。

ハイタッチ営業の成功・効率化にお勧めのツール

ハイタッチ営業を成功させ、効率化を実現するには、営業活動をサポートしてくれるツールを使うのがお勧めです。ここでは、ハイタッチ営業に役立つツールとその活用法についてご紹介します。

SFA

SFA(Sales Force Automation)は、日本語で「営業支援システム」と呼ばれ、主に営業活動の行動や進捗管理に使われるツールです。例えば、顧客の情報を登録して、現在どのような商談が進行しているのか、どの営業チームがどんなタスクを顧客に対して行っているのかなど、営業活動の状況を一元管理することが可能です。

営業担当者が1人で抱え込むのではなく、SFAを活用してチーム全体で案件を管理することで、トラブルへの素早い対応や生産性の向上、業務効率の改善などが期待できます。また、属人化しやすい営業活動のプロセスを可視化できるため、仮に営業担当者が異動や退職などでいなくなっても、顧客とのそれまでのやりとりがブラックボックス化せず、スムーズに引き継げます。

スケジュール管理ツール

営業にとって最も重要ともいえるのがスケジュールの管理です。特にハイタッチ営業では顧客との関係構築が重要になるため、スケジュールの管理ミスは絶対に避けなければなりません。仮にダブルブッキングなどで顧客に迷惑をかけてしまうと、それまで築いてきた信頼が一瞬にして崩れかねません。

そうしたスケジュール管理のミスを防ぐためにも、スケジュール管理ツールを導入してシステマチックに管理することが大切です。手帳などにスケジュールを書き留めるだけでは属人化してしまい、万が一の際の不安が残ります。デジタルツールでスケジュールを管理し、チーム全体に共有することで、ミスが起きる前に対処することが可能となります。

DSR

DSR(Digital Sales Room)とは、自社と顧客企業がオンライン上で情報を共有するためのシステムです。例えば、自社からは商品資料や価格表、プロモーションムービーなどの営業コンテンツをDSRにアップし、顧客はそれらを見て商品・サービスの購入を検討したり、活用イメージを膨らませたりします。また、チャット機能を活用してダイレクトに顧客とやりとりも行えます。

こうした営業コンテンツは、以前であればメールでのやりとりや、営業が直接訪問することで顧客に提示するものでした。しかし、現在は多くの顧客企業がもっと効率の良い情報共有を望んでおり、DSRの重要性が増しています。

名刺管理ツール

ハイタッチ営業は、顧客と長期的な関係性を築く営業手法です。また、1人の営業担当者だけで対応を行うのではなく、営業チーム全体で顧客の情報を共有し、常に迅速かつ最適な対応を取る必要があります。そのためには、顧客情報の一元管理が欠かせません。

そこでお勧めなのが、名刺管理ツールの活用です。ビジネスの起点となる名刺には顧客の重要な情報が詰まっています。しかし、紙の名刺のままでは一元管理が難しく、営業チーム全体への共有もできません。その点、名刺管理ツールは名刺をスキャンして素早くデータ化でき、社内の名刺を一元管理することが可能です。名刺管理ツールで顧客情報を適切に管理することで、顧客との関係構築がしやすくなり、ハイタッチ営業の成功確度を高めることができます。

ハイタッチ営業に取り組むなら「SKYPCE(スカイピース)」で効率的な名刺管理を

ここまで見てきたように、ハイタッチ営業は、顧客との間で長期的な信頼関係を構築して自社の売上につなげられる有効な営業手法の一つです。顧客との関係を構築するためには、顧客の声に耳を傾け、ニーズを的確に捉えることが大切です。

そんなハイタッチ営業の取り組みに活用できるのが、営業支援 名刺管理サービス「SKYPCE(スカイピース)」です。「SKYPCE」は大量の名刺をOCR(光学的文字認識)技術で簡単にスキャンできる上、オペレーターによるチェックを通じて名刺情報を正確にデータ化することができます。データ化した名刺情報は組織全体で一元管理し、営業チーム全体に共有できるため、ハイタッチ営業の属人化を防ぎ、効率的に実施することが可能です。また、案件化する前から、名刺情報にひもづけて顧客との会話ややりとりをメモとして記録・共有することができ、誰でも簡単に調べられるため、顧客との関係構築に役立ちます。

ハイタッチ営業による顧客との関係構築をさらに強化し、ビジネスを加速させたい企業様は、営業支援 名刺管理サービス「SKYPCE」の導入をぜひご検討ください。