マーケティングとは? 意味や重要性、代表的な考え方、営業との違いを解説

マーケティングをひと言で表すなら「製品やサービスが自然に売れ続ける仕組み作り」といえます。この仕組み作りは、市場調査から施策の策定、効果測定、そして改善までの一連のプロセスを繰り返すサイクルが出来上がることで完成します。正しくニーズを把握し、効果的に改善サイクルを回していくためには、マーケティングにまつわる知識やフレームワークを知ることが大切です。そこでこの記事では、マーケティングの定義や目的、営業との違いといった基礎知識のほか、具体的なプロセスやフレームワーク、種類、実施時の注意点などを解説します。
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マーケティングとは
マーケティングとは、「製品やサービスが自然に売れ続けるような仕組み作り」を指します。この仕組みには、市場の調査と分析・商品の企画および開発・価格設定・宣伝活動・プロモーションなど、顧客のニーズを把握して商品を届けるまでの一連のプロセス全体が含まれます。
顧客のニーズを満たせる価値を創出・提供することこそが、顧客が自然と商品を購入したくなる状況につながります。そのためマーケティング活動では、単に商品の認知度を上げるだけではなく、「誰にどんな価値をどういうかたちで届けるか」を考える過程が欠かせません。
マーケティングという言葉が指す範囲は時代や状況により異なる場合もありますが、特に昨今はこうした「ニーズを満たす価値の創出・提供」を目指す活動全般を指して、マーケティングと呼ばれるようになっています。
マーケティングの定義
公益社団法人日本マーケティング協会によるマーケティングの定義は、1990年に制定されました。しかし、社会全体の急速なデジタル化や、それに伴いマーケティングに求められる役割が変化していることを受け、2024年に定義の刷新が行われました。
旧定義では「企業や組織による競争や市場の創造」が主体となっていたのに対し、新定義では「企業や顧客、社会が一体となって価値を創造し、ステークホルダー(利害関係者)との長期的な関係性の構築を目指すこと」に重きが置かれています。
参考:公益社団法人日本マーケティング協会「34年振りにマーケティングの定義を刷新」
マーケティングの目的・重要性
モノや情報が充実している現代では、従来のようにただ大量販売を目指すやり方では、次第に「選ばれない商品」となりかねません。そのためマーケティングの目的は、顧客に選ばれ続けるような関係性の構築と、それを実現するための価値あるサービスの提供へとシフトしました。
適切なマーケティングを行えば、確度の高い顧客を狙った効率的な営業活動や、顧客満足度の向上につながります。求められる施策が複雑化している反面、多様化する顧客ニーズに適応する方法として、マーケティングの重要性は高まっているといえます。
マーケティングと営業(セールス)の違い

マーケティングと営業(セールス)はどちらも製品・サービスの販売につなげるための活動ですが、役割やアプローチする対象がそれぞれ異なります。
マーケティングの役割は、「顧客が自然と購入したくなる仕組み(環境)を整えること」です。不特定多数の潜在顧客にアプローチして、共に新たな価値を創造し広めることを目指します。一方で営業の役割は、「実際に商品を売ること(合意形成)」です。特定の見込み顧客を対象に、直接的な交渉や提案を行います。
両者は顧客を取り合う関係ではなく、連携して情報を提供し合うことで成果を最大化できる関係にあります。
マーケティングの歴史

現在までのマーケティング手法の変遷について、アメリカの経営学者であるフィリップ・コトラー氏は次のような段階があると提唱しています。
- マーケティング1.0(~1960年代ごろ):製品主義
製品が主体のマーケティング。「安ければ売れる」「低価格・大量生産」の時代。 - マーケティング2.0(1970~1980年代ごろ):顧客志向
人々が豊かになり、技術も大きく進化。顧客が「本当に必要なもの」を購入する時代。 - マーケティング3.0(1990~2000年代ごろ):価値主導
インターネットの普及で顧客自ら情報収集するようになり、商品の背景に注目が集まる。「ブランドコンセプトや企業価値」が重視される時代。 - マーケティング4.0(2010~2020年ごろ):自己実現
スマートフォンやSNSが普及し、顧客による情報発信が始まる。製品やサービスを通して「なりたい自分」を追求。精神的価値を満たすことが求められる時代。 - マーケティング5.0(2020年代~):最新技術の活用
ビッグデータやAIなどを応用し、「顧客の体験価値向上」と「業務効率化」を図る時代。顧客の人間性を尊重し、一人ひとりの満足度を高める。
マーケティングの主なプロセス
マーケティングのプロセスは、大まかに分けて次の4段階で構成されます。
- 市場の調査・分析
顧客が抱える悩みや求めているものを市場調査により把握する。モニターアンケートや公的な統計データ、競合他社の動向などを参考に、自社の立ち位置や打ち出すべきポイントを判断する。 - 戦略立案
ターゲット層を設定して「誰にどのような価値を提供するか」を明確化する。競合他社との差別化や販促、価格や流通経路などさまざまな側面から検討する。 - 施策の実行
製品やサービスの企画・開発、広告やSNSでの情報発信など、実際に価値を浸透させるための行動を起こす。 - 効果測定・改善
施策の効果検証を行い、目標とする数値を達成できたか確認する。改善点を洗い出して施策を最適化していく。
この一連の流れを繰り返し行い、マーケティングの精度を向上させることで、「自然に売れ続ける仕組み」が作られていきます。
マーケティングの代表的なフレームワーク
マーケティング戦略を考える際には、フレームワークと呼ばれる「思考の型」を活用すると、効率的で正確な戦略の立案が可能になります。これらは主に、前述のプロセスにおける「2.戦略立案」の段階で使用されます。
ここでは、マーケティングにおける代表的なフレームワークのうち5つを取り上げ、具体的な考え方をご紹介します。
3C分析

3C分析は、顧客(Customer)・競合(Competitor)・自社(Company)の3つの観点から市場環境を把握するフレームワークです。それぞれの観点では次のような内容を調査します。
- 顧客:市場の規模や成長性、顧客の属性・行動、顧客ニーズなど
- 競合:競合他社のシェア率、業界内でのポジション、特徴や戦略など
- 自社:自社の理念やビジョン、強みと弱み、現在の状況、リソースや技術など
これらをバランス良く分析することで、客観的に市場環境を把握していきます。
STP分析

STP分析は、市場の細分化(Segmentation)・ターゲットの選定(Targeting)・自社の立ち位置(Positioning)という3つのステップの頭文字を取ったフレームワークです。
まずは3C分析などによる環境分析の結果を基に、市場を年齢や性別、地域、趣味趣向といった属性で細分化します。次に細分化した市場から自社が狙うターゲット層を選定します。最後に、自社商品の強みや競合との比較から、市場内での自社商品のポジションを決定します。
このステップを踏むことで、「誰にどのような価値をどう届けるべきか」といった具体的な方向性を明確化できます。
4P分析

STP分析でターゲットやポジションを定めたら、複数のツールを組み合わせて具体的な施策へと落とし込んでいくマーケティングミックスを行います。マーケティングミックスの代表的なフレームワークとして活用されているのが、4P分析です。4Pは「製品(Product)」「価格(Price)」「流通(Place)」「販促(Promotion)」の4要素を指します。
これらはマーケティング戦略の詳細を決める際に調整すべき重要な要素とされ、戦略の一貫性を保つために意識すべきポイントとなります。
SWOT分析

3C分析と同様、環境の分析に役立つフレームワークとして、SWOT分析があります。SWOT分析では内部環境・外部環境それぞれのプラス要因とマイナス要因を洗い出すことで、自社の状況を整理します。SWOTは、次の4要素の頭文字です。
- 内部環境×プラス要因:Strength(強み):自社や自社商品の強み
- 内部環境×マイナス要因:Weakness(弱み):自社や自社商品の弱み
- 外部環境×プラス要因:Opportunity(機会):自社の追い風になる市場環境や顧客ニーズ
- 外部環境×マイナス要因:Threat(脅威):自社のリスクになる技術革新や競合企業の躍進
PEST分析

PEST分析も、環境分析を助けるフレームワークの一つです。企業の長期的な戦略に影響する、自社ではコントロールできない外部要因(マクロ環境)を理解することで、将来予測や新規事業開拓の判断、リスクヘッジなどに役立てます。
PESTは政治(Political)、経済(Economic)、社会(Social)、技術(Technological)の4つの視点を表します。法改正などの政治変動、景気・為替・金利といった経済の状況、人口・世帯・世論などの社会的観点、技術革新や特許をはじめとする技術的要素を基に、自社を取り巻く市場の動向を把握します。
マーケティングの主な種類
ひと口にマーケティングといってもその手法はさまざまです。大枠のカテゴリとしては、対面で行う「リアルマーケティング」、インターネットやITツールを利用する「デジタルマーケティング」、企業から潜在層へアプローチする「アウトバウンドマーケティング」などが主に挙げられます。
現在は特にデジタルマーケティングの重要性が増しており、昨今よく目にするWebマーケティング施策もこの枠組みに内包されます。

また、「店頭で気になった製品を通販で購入する」「ネットで事前に情報を調べてから店頭で実物を見て購入する」といったオンラインとオフラインを統合・連携する施策(オムニチャネル施策)も注目されています。単にオンラインで完結させるのではなく、自社の商材やビジネスモデル、情勢の変化などに合った種類を選ぶことが大切です。
次に、現代のマーケティングに欠かせないデジタルマーケティングとWebマーケティングの特徴についてご紹介します。
デジタルマーケティング
デジタルマーケティングは、インターネットやIT技術を活用したマーケティング手法の総称です。具体的な施策の例としては、動画や音声を使ったデジタル広告、SNSでの情報発信、メールマーケティング、SEOやLLMOなどが挙げられます。
顧客の行動データを収集しやすいため、客観的なデータに基づく「データドリブンマーケティング」を行えるのが利点です。行動や趣味趣向をデータから分析していけば、個々人に合わせたアプローチを実現できます。
Webマーケティング
デジタルマーケティングの一領域であり、自社サイトやオウンドメディア、SNSといったインターネット上にある接点を活用する手法を「Webマーケティング」と呼びます。デジタルマーケティングの一領域であり、Web広告やSEO、コンテンツマーケティングなどはこのくくりに当てはまる代表的な例です。
自社サイトへの誘導を目的とするケースが多く、Webサイトを訪問したユーザーの数や行動を細かくデータ化できるため、具体的な改善を行いやすいのが強みです。
BtoB・BtoCマーケティングの違い
マーケティング手法の選択に当たっては、自社のビジネスモデルを考慮することも重要です。企業をアプローチ対象とする「BtoBマーケティング」では、顧客側は慎重に購入を判断し、意思決定も複数名で行われるケースが多いです。そのため、検討期間が長くなりやすいという特徴があります。
一方で、個人の消費者向けにアプローチする「BtoCマーケティング」の場合、意思決定の過程がBtoBよりもシンプルで、個人の感情や好みに依存しやすい傾向があります。基本的にセールスサイクルが短いのも特徴です。
マーケティング戦略の立案では、こうしたターゲットの違いを踏めて有効なチャネルや訴求方法を考えることが求められます。例えば、BtoBマーケティングならターゲットのニーズを深く調査して展示会への出展やホワイトペーパーの配付を行ったり、BtoCマーケティングならSNS広告やダイレクトメールによるクーポン送付を行ったりする例が挙げられます。
マーケティングを成功させるポイント
マーケティング戦略を成功へ導くためには、どのような視点から施策を考案・実行するかがポイントになります。これまでにご紹介した内容を実務に落とし込んでいくに当たっては、次の2つの視点を意識することが重要です。
- データに基づいて仮説検証を繰り返す
- 顧客視点を起点にする
ここでは、それぞれの具体的な内容を解説します。
データに基づいて仮説検証を繰り返す
マーケティングの効果を最大化するためには、一度戦略を立案したら終わりではなく、効果検証と改善を繰り返す必要があります。こうした改善サイクルの継続こそが、「自然に売れ続ける仕組み作り」につながります。
その際に重要になるのが、個人の経験や勘に頼らずデータを根拠にした判断を行う「データドリブン」という考え方です。Webサイトの行動履歴やSNSでの反響などを数値的なデータとして収集・分析することで効果が可視化され、客観的で精度の高い仮説検証が行えます。
顧客視点を起点にする
マーケティング施策を考える際には、自社の主張を一方的に届けるのではなく、顧客視点に立って顧客にとって本当に価値がある情報を届ける姿勢が大切です。
この視点が欠けていると独りよがりな施策になり、成果が出にくくなります。顧客の興味・関心に目を向け、市場調査やアンケート、顧客データの分析などを通じてニーズをくみ取り、一人ひとりに合った提案を行うことで顧客満足度を向上できます。
ニーズが複雑化するなかで大勢の顧客の要望を満たすには、情報の収集・管理の効率化も欠かせません。顧客データの効率的な管理には、CRMやMA、SFA、名刺管理ツールなどのITツールによる一元管理が役立ちます。
名刺情報から顧客データを管理するなら「SKYPCE(スカイピース)」がお薦め
法人向け営業名刺管理サービス「SKYPCE」は、名刺情報をデータとして集約し、企業の「資産」として活用できるサービスです。顧客データの一元管理や社内での情報共有がスムーズに行えます。
さらに、登録された名刺情報からリストを作成してメールの一斉送信を行うなど、自社の情報を効率的に届けられる機能も搭載。定期的な情報発信により、見込み顧客のナーチャリングにも役立てられます。マーケティング施策の効果を最大化するため、顧客情報の管理体制を見直したいとお考えの際は、ぜひSKYPCEの導入をご検討ください。
SKYPCE(スカイピース)の導入事例
SKYPCEの導入事例として、SKYPCEをご利用いただいているユーザー様に、導入を検討された経緯や導入後に得られた効果などについてお話を伺った記事を公開しています。ここでは、その中から3件の事例をピックアップして、記事の内容を一部抜粋してご紹介します。
【導入事例】ウェブスペース株式会社 様
導入前の課題
当社では従来、主に飛び込み営業や既存のお客様からのご紹介で新規顧客の開拓を行ってきました。しかし、DXが進む現代において継続的な売り上げ増加を目指すには、メール配信などを活用したデジタルマーケティングの強化は不可欠だと考えています。そこで、社内プロジェクトを立ち上げ、新しいツールの導入も含めてさまざまな施策に取り組んでいくことになりました。
導入後の効果
当初、デジタルマーケティングを推進していくには、その土台として顧客情報を集約したデータベースが必要だと考えていました。「SKYPCE」を導入したことで、名刺情報を営業部全体で共有し、顧客との接点が集約されたデータベースとして活用できるようになりました。タグで名刺を絞り込むこともできるので、必要な情報をすぐに探し出すことが可能です。
SKYPCE導入事例:「ウェブスペース株式会社 様」より一部抜粋
【導入事例】株式会社オープンアップシステム 様
導入前の課題
当社では数年前まで、業務で得た名刺は各担当者が個人で管理していました。商談の内容や進捗状況も、表計算ソフトウェアを用いて属人的に管理している状態でした。しかし、当社グループ内で会社統合があった際、それらの情報が残っておらず引き継ぎに支障を来したことをきっかけに、「情報は組織の大切な財産である」という思いを強くしました。
導入後の効果
情報の可視化や共有が進んだことで、社内のコミュニケーションが活性化しました。社外とのコミュニケーションにも変化がありました。「SKYPCE」には、特定のタグが付与された名刺の連絡先にメールを一斉配信できる機能があるので、あらかじめ配信先となるパートナー企業の名刺にタグを付与しておけば、1回の作業で配信が完了。業務効率が大きく向上しました。
SKYPCE導入事例:「株式会社オープンアップシステム 様」より一部抜粋
【導入事例】銚子インターネット株式会社 様
導入前の課題
当社が名刺管理ツールを導入したのは約10年前。当時はオンプレミス版の名刺管理ツールを採用しましたが、Windows 10のサポート終了が迫るなか、当該ツールがWindows 11に非対応であったため、入れ替えを行うことにしました。要件を満たしていた「SKYPCE」を社内で検証。2週間の試用の結果、全社一致で導入が決まりました。
導入後の効果
以前は、インターネットで検索して情報を調べており、さまざまなWebサイトを横断して確認しなければなりませんでした。「SKYPCE」なら、東京商工リサーチや東洋経済新報社の提供するデータベースを直接確認できます。これらデータベースは、新規でお客様を訪問するときの情報収集にも活用しています。データベースの情報から、訪問先の強みやニーズを事前に分析できるので、初回訪問時の基本的なヒアリングにかかる時間が短縮され、すぐに具体的な提案を行えるようになりました。
SKYPCE導入事例:「銚子インターネット株式会社 様」より一部抜粋