マーケティングのKPIとは? KGIとの違いや代表的な指標、設定方法を解説

KPI(重要業績評価指標)は、ゴールとなる最終目標・KGIを達成するまでの中間指標であり、「道しるべ」としての重要な役割を果たします。近年は、顧客行動の変化に伴う施策の多様化によって、マーケティングにおいてもKPIを重視する傾向が強まってきました。しかし、KPIの効果を正しく発揮するためには、目的やチャネルに応じた適切な指標設定が欠かせません。そこでこの記事では、KPIの概要や重視される理由のほか、代表的な指標や設定手順、KPIの運用を効率化するポイントなどを、具体例も交えてご紹介します。
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マーケティングのKPIとは?
KPI(Key Performance Indicator)とは、最終目標(KGI:Key Goal Indicator)達成までのプロセスが予定通り進んでいるかどうかを測るための中間指標です。例えば「1年で売上1,000万円を達成する」という最終目標だけを掲げるよりも、「月に10件の新規契約を結ぶ」といった中間目標がある方が、達成までの道のりを現実的に把握しやすくなります。
マーケティングにおけるKPIは、目標とする売上額や利益に向けて日々のマーケティング施策で達成するべき数値であり、「道しるべ」の役割を担います。主な指標として、広告のインプレッション数やコンバージョン率、リピート購入率などが挙げられますが、実際に設定すべき指標は施策の目的などによっても変わります。
マーケティングのKPIとKGIの違い
KPIが中間指標を指すのに対し、最終目標(結果指標)は「KGI」といいます。日本語ではKPIを「重要業績評価指標」、KGIを「重要目標達成指標」と訳します。
ゴール地点をKGIとしたときに、そこへたどり着くまでの通過ポイントにあたるのがKPIです。そのため、基本的にKPIは先に設定したKGIから逆算して設定していきます。

マーケティングでKPIが重要な理由
ビジネスにおいては、漠然とした目標を掲げるのではなく、KPIのような細分化された目標設定を行うことが求められます。ここでは、マーケティングにおいて、なぜKPIが重要なのか、そしてKPIの設定によりどのような効果が得られるのかを、次の4つの視点から解説します。
- 効率よく目標を達成するため
- 組織全体で目標を共有するため
- 施策ごとの効果を測るため
- データドリブンな意思決定を行うため
効率よく目標を達成するため
KPIを設定することで、目標達成までの道のりを分解して具体的な数値で示すことができます。そのため「今やるべきこと」が明確になり、回り道せず最短ルートでゴールへたどり着けます。
また、進捗状況が数値で可視化されることで、予定通りに進んでいない場合も早めの軌道修正がしやすくなります。成果につながる施策にリソースを集中させることが可能になるため、さらなる効率化を図ることができます。
組織全体で目標を共有するため
近年は顧客の購買行動が多様化しており、それに伴ってマーケティング施策も複雑化しています。そうしたなかで組織が高い成果を上げるためには、チーム内で目標や指標などの認識が一致していることが重要です。
KPIという数値的な目標があれば、個々人による感覚の差や、マーケティング・営業といった部署間の認識のずれがなくなり、同じ基準で物事を判断できるようになります。施策の優先順位なども共通認識に沿って決定できるため、一丸となって共通のゴールを目指せます。
施策ごとの効果を測るため
顧客との接点(チャネル)が多様化している現代では、全体の成果のみならず、施策ごとの効果測定を行うことも欠かせません。KPIを施策ごとにひもづけておけば、クリック率やコンバージョン率といった客観的な数値に基づき、「どの施策が成果に貢献したか」を比較することができます。
比較した結果から、貢献度が高い施策と低い施策を切り分けることで、改善策の考案や予算の再配分を早期に行えます。
データドリブンな意思決定を行うため
ビジネスにおけるデータ活用が進み、マーケティングでも担当者の勘や経験に頼らないデータドリブンな意思決定が求められるようになりました。こうしたなかで、KPIのように定量的なデータを用いる評価基準は非常に役に立ちます。
数字という客観的な事実を根拠にした意思決定は、組織内の合意形成をスムーズにするほか、外部の関係者にマーケティング方針などを説明する際も説得力が増し、組織としての信頼獲得につながります。また、KPIの推移を継続的にモニタリングすることで、素早く変化に気づいて改善策を講じることも可能になります。
マーケティングの代表的なKPI
KPIを設定する際の具体的な指標は、業種や職種、施策の目的やフェーズに応じて整理する必要があります。ここではマーケティングにおける代表的なKPI指標の例について、次の3つのフェーズに分けてご紹介します。
| フェーズ | 目的 | KPI例 |
|---|---|---|
| 認知・獲得 | まずは自社の存在を認知してもらい、見込み顧客を増やす | 広告やSEO施策による集客効果はどの程度か(インプレッション数、クリック率、顧客獲得単価) |
| 育成・回遊 | 自社Webサイト内での回遊を促し、興味・関心を高める | Webサイト内の情報はどのくらい見られたか(セッション数、コンバージョン率、直帰率・離脱率) |
| 収益・継続 | 実際に商品を購入してもらい、その後のリピートにつなげる | 収益はどのくらい発生するか(顧客単価、リピート率、LTV) |
認知・獲得フェーズのKPI例
認知・獲得フェーズでは、まだ自社を知らない層に存在を知らせ、興味を持ってもらうための施策について測定します。
このフェーズの代表的なKPI例としては、広告が人の目に入った回数を計測する「インプレッション数(Imp)」、表示された広告がクリックされた割合を示す「クリック率(CTR)」、1件の顧客を獲得するためにかかった費用を表す「顧客獲得単価(CPA)」などが挙げられます。
育成・回遊フェーズのKPI例
自社の情報にアクセスした顧客が実際に購入に至る確率を上げるには、育成・回遊フェーズで関心を高めることが大切です。そのためには、顧客が自社のWebサイトにとどまる確率や、資料請求や会員登録といった行動をどれくらい起こしたかを測定するのが効果的です。
具体的なKPI例は、Webサイトへの訪問数を示す「セッション数」やページの閲覧総数をカウントする「ページビュー(PV)」、資料請求や商品購入につながった割合を指す「コンバージョン率(CVR)」、Webサイトそのものや特定のページからユーザーが離れた割合を表す「直帰率」「離脱率」などがあります。
収益・継続フェーズのKPI例
収益・継続フェーズでは、実際の売上に関わる数値の推移に着目します。1回で購入される金額の平均を算出した「顧客単価」をはじめ、「リピート率」や「LTV(顧客生涯価値)」などもKPIの代表的な指標として挙げられます。
リピート率では、初回購入者のうち何人が2回目以降の購入を行ったかを測ります。LTVはさらに長い目で見た指標で、1人の顧客が自社の顧客である間にもたらした利益の総額を数値化します。
マーケティングKPIの設定手順
KPIはただ設定すればよいというものではなく、KGIというゴールまでの正しい道しるべになっていることが非常に重要です。そのため、先述したようにKGIから逆算して必要なKPIを導き出していくのが一般的です。ここでは、マーケティングにおけるKPIの詳しい設定手順について、順番に解説していきます。
- KGI(最終目標)を設定する
- KGIからKSFを洗い出す
- KSFを分解しKPIツリーを作成する
- SMARTの法則で指標を絞り込む
- 運用し、定期的に見直す
1.KGI(最終目標)を設定する
ゴールとなるKGIを決めることが、KPIを設定するための最初のステップです。この際、「年間売上○円達成」「市場シェア率を3年以内に○%アップ」など、具体的な数値や期限を定めて売上・利益の目標を明確化します。KGIが曖昧だと、KPIも具体的に設定できなくなってしまう恐れがあるため注意が必要です。
またKGIを設定するときには、各事業や部門ごとの目標と照らし合わせ、企業全体として整合性が取れているかを確認することも大切です。
2.KGIからKSFを洗い出す
次に、現状と最終目標との差を見つめ直します。KGIを達成するまでに必要なプロセスは何かを考えることで、目標達成の鍵を握る要素である「KSF(Key Success Factors:重要成功要因)」を洗い出していきます。
例えば、利益率アップをKGIとするなら、「コスト削減策の立案」や「生産工程の見直し」がKSFの例として考えられます。KSFを洗い出すことで、具体的な計画が立てられるようになり、実際にどのような行動を取れば目標を達成できるのかを把握しやすくなります。
3.KSFを分解しKPIツリーを作成する
KSFを整理したら、そのプロセスをさらに細分化してツリー状に必要事項を書き出していくことで、KPIを抽出します。このツリー状の図を「KPIツリー」と呼びます。

例えば、売上には「売上=顧客数×単価×購入回数」という式が成り立つため、KGIが売上アップの場合、顧客数・単価・購入回数を伸ばす必要があるとわかります。このように、目標数値に影響する要素を分解していくことで、KPIとして盛り込むべき指標が明らかになります。
4.SMARTの法則で指標を絞り込む
指標を重要なものに絞りたいときや、適切なKPIになっているか確認したいときに役立つのが、「SMARTの法則」です。SMARTの法則とは、以下の5原則の頭文字を取ったものです。
| 単語 | 意味 |
|---|---|
| Specific | 明確で具体的 |
| Measurable | 測定可能 |
| Achievable | 達成可能 (「Assignable(担当者の割り当てが可能)」や「Attainable(実現可能)」とされる場合もある) |
| Relevant | 目標と関連性がある (「Realistic(現実的な)」とされる場合もある) |
| Time-bound | 期限設定がある |
この5つの原則を満たすことで、より明確で達成しやすいKPIを設定できます。
5.運用し、定期的に見直す
KPIを設定し運用を開始した後も、定期的にモニタリングや見直しを行います。KGIの数値と現在の進捗を照らし合わせて、目標と実績のずれが大きい場合には、目標値の変更や改善策の検討といった軌道修正が必要です。
実績や目指すべき数値は、市場の変化によって大きく変動することもあります。また、目標に変化が生じた際には、KPIも合わせて変更する必要性が生じます。状況に応じて更新し続けていくことで、適切なKPIが設定された状態を保つことができます。
マーケティングKPIを設定する際のポイント
せっかくKPIを設定しても、適切に設計・運用できなければ目標値を決めた意味がなくなってしまいます。KPIによってマーケティング施策の質を向上させるためには、以下のようなポイントを意識して正しく活用していくことが重要です。
- KPIを増やしすぎない
- KPIの達成自体を目的にしない
ここでは、各ポイントを詳しく説明していきます。
KPIを増やしすぎない
KPIとして大量の指標を設定してしまうと、どれを優先すべきかわからず管理コストが増加したり、リソースの分散で進捗に遅れが発生したりする恐れがあります。本当に重要な指標はどれなのかを把握し、1つのKGIにつき多くて5個程度までKPIを絞り込むことで、現場で本当に取るべきアクションが明確になります。
KPIを絞り込む際は、前述した「SMARTの法則」を活用して実現可能なラインを見極めるほか、フェーズや目的に応じた取捨選択を行うことも有効です。
KPIの達成自体を目的にしない
KPIの数値を達成すること自体が目的化してしまうと、本来の目的から外れてしまう場合があります。KPIはあくまでKGIを達成するための通過点であると認識し、設定から運用まで一貫して、KPIがKGIにどう影響するのかを考え続けることが大切です。
この視点が抜け落ちていると、無理な数値合わせのために強引な営業を行うなど、長い目で見た際に自社のブランド価値や顧客満足度を低下させるような施策につながるリスクもあります。
マーケティングKPIの管理・分析を効率化する方法
KPIを適切に運用していくためには、日々の実績を数値として管理・分析する作業が欠かせません。しかし、この作業には多くの時間と労力がかかります。そこで役立つのが、MA(マーケティング・オートメーション)やSFA(セールス・フォース・オートメーション)、CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)などのツールです。
MAはマーケティング、SFAは営業活動、CRMは顧客との関係構築に関するプロセスを自動化・効率化することができます。顧客情報や行動データなど、マーケティングのKPIにも関係する情報を集約して一元管理し、各KPIの進捗をリアルタイムで可視化することが可能です。
さらに、部門間でのデータ共有が行えるシステムを採用すれば、マーケティングと営業の連携強化にも役立ちます。
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SKYPCE(スカイピース)の導入事例
SKYPCEの導入事例として、SKYPCEをご利用いただいているユーザー様に、導入を検討された経緯や導入後に得られた効果などについてお話を伺った記事を公開しています。ここでは、その中から3件の事例をピックアップして、記事の内容を一部抜粋してご紹介します。
いずれの事例においても、「SKYPCE」の導入によって、名刺情報のデータベース化による正確な顧客情報の把握だけでなく、より精細な営業活動が可能になったとの声が挙がっています。
【導入事例】株式会社堀通信 様
導入前の課題
従来、当社では名刺を紙のままファイリングして個人で管理してきました。しかし、昨今たびたび報じられている情報流出などの事例を受け、お客様や取引先の情報をより安全に管理できるよう、名刺管理サービスの導入を検討することになりました。
導入後の効果
スムーズな情報共有に効果的だと感じたのが、任意で名刺データに情報を追記できる「メモ」機能です。例えば、社内での立ち位置や業務内容などお客様に関するメモを残しておき、担当者が変更になった際の引き継ぎに活用。同じお客様に複数の従業員が関わっている場合も、それぞれの案件で知り得た最新の情報を「メモ」に入力しておき、より正確な情報を社内で共有しています。また、「イベントメール配信」機能の活用も一部で始めています。宛先選択や本文の編集、配信予約まで「SKYPCE」上で完結して手間も少ないため、今後この取り組みを全社に広げていくことも検討しています。
SKYPCE導入事例:「株式会社堀通信 様」より一部抜粋
【導入事例】Nolook商事株式会社 様
導入前の課題
当社では名刺を個人管理していましたが、会社の成長とともに2つの課題が浮き彫りになってきました。一つは紛失や、転職先への持ち出しなどのセキュリティ上の懸念です。そしてもう一つが、情報共有が進まないこと。潜在顧客の情報が埋もれてしまい、ビジネスチャンスを逃している可能性がありました。
導入後の効果
まだ導入から半年程度ですが、営業部以外の部署で登録された名刺から、すでに10件以上の案件を発掘できました。「企業データベース」も、営業ターゲットリストとして活用しています。今まで当社がターゲットとしていなかった業種から案件を創出できたケースもあり、ビジネスの幅が広がっていることを実感しています。特に、当社の事業の一つであるノベルティの制作においては、企業の周年記念はビジネスチャンスにつながりやすいので、「設立年月」で企業情報を検索することで、効率的なアプローチが可能になりました。
SKYPCE導入事例:「Nolook商事株式会社 様」より一部抜粋
【導入事例】株式会社PKUTECH 様
導入前の課題
当社では従業員それぞれが紙のまま名刺を管理していたため、名刺管理サービスを会社として導入するのは初めてのこと。そこで、従業員がつまずくことなく利用を始められるよう、使いやすさを重視してサービスを選定しました。
導入後の効果
お客様の組織図をWebサイトなどでチェックし、まだ名刺交換できていない部署や部門を洗い出すことで、次なるアプローチ先の参考にしています。また当社ではこれまで、お客様に年始のごあいさつとして紙の年賀状を送っていましたが、「SKYPCE」を導入したタイミングでメール配信に切り替えることにしました。さらに、今後は年賀状だけでなく、プレスリリースを関係者にご案内する際など、社外向けの発信に活用していくことも検討中です。
SKYPCE導入事例:「株式会社PKUTECH 様」より一部抜粋