「ご都合いかがでしょうか」の使い方を例文と併せて解説

「ご都合いかがでしょうか」の意味

「ご都合いかがでしょうか」は、ビジネスシーンでよく用いられる敬語表現で、相手を気遣いながら事情や状況を尋ねる際に使われます。「ご都合」は「都合」に「ご」を加えた丁寧な表現で、「いかがでしょうか」は「どうでしょうか」を丁寧に尋ねる際に使う敬語表現です。

「ご都合いかがでしょうか」を使う対象

「ご都合いかがでしょうか」は、主に上司や先輩、取引先の担当者など目上の人に対して使われるフレーズです。相手の都合を尊重した丁寧な表現であるこのフレーズは、ビジネスで関わる目上の人だけでなく、プライベートの友人や家族などさまざまな相手に対して用いられることもあります。

「ご都合いかがでしょうか」を使う場面・使い方

「ご都合いかがでしょうか」は、目上の人などの相手と予定を合わせるときや、物事を依頼する際に用いられます。例えば、「〇月〇日（〇）の〇時にお電話できればと存じますが、ご都合いかがでしょうか」や「〇〇の件をお願いできればと存じますが、ご都合いかがでしょうか」などのように使うことができます。

「ご都合どうですか」は使ってもよい？

「ご都合いかがでしょうか」と同様の使い方で、「ご都合どうですか」「ご都合どうでしょうか」と相手に尋ねるケースも見受けられます。それぞれのフレーズの意味に違いはありませんが、敬語として使われる「ご都合」に対し、「どうですか」や「どうでしょうか」は、敬語に当てはまりません。そのため、目上の人に対しては「ご都合いかがでしょうか」を使用し、部下や後輩などに対しては「ご都合どうですか」を使用することが望ましいといえます。目上の人に対して「ご都合どうですか」や「ご都合どうでしょうか」を使うことは失礼にあたるため、相手の立場に応じて使い分けることが重要です。

「ご都合いかがでしょうか」を使うときの注意点

ビジネスシーンで「ご都合いかがでしょうか」を使用する際の注意点は、次のとおりです。

表現に気をつける

文字ベースでのコミュニケーションであるビジネスメールの中で「ご都合いかがでしょうか」を使う際は、自身の感情が相手に伝わりづらいため、特に丁寧な言葉遣いを心掛けることが大切です。日程を調整する際や依頼をする際は一方的に自身の要望を押しつけるのではなく、「〇月〇日は、ご都合いかがでしょうか」「急ぎでの対応をお願いしたく存じますが、ご都合いかがでしょうか」など柔らかい表現を意識します。また、「お忙しいところ恐れ入りますが」などのクッションとなる言葉をつけ加えると、より相手を気遣った表現ができます。

こちらから日時を提示する

相手と日程を調整するときは、すでに日程の候補がある場合は具体的な日時を提示し、相手のスケジュールの確認作業を最小限に抑えることが大切です。提示する日程も、「〇月〇日のご都合いかがでしょうか」などと限定的な候補日ではなく、「〇月〇日～〇月〇日」や「来週の〇日以降であればいつでも可能です」といったようにできるだけ幅を持たせたり、前もって複数の候補日を伝えたりすることで、相手も予定を調整しやすくなります。

「ご都合いかがでしょうか」を相手へ送るときの例文

ここでは「ご都合いかがでしょうか」を用いたビジネスメールの例文を、シチュエーション別にご紹介します。

日程を調整する際のメール・例文

▼「ご連絡いたしました」ついて詳しくは、こちらの記事をご覧ください 「ご連絡いたしました」の使い方を例文と併せて解説

日程を変更する際のメール・例文

相手に急なお願いをする際のメール・例文

「ご都合いかがでしょうか」の返信方法

相手から「ご都合いかがでしょうか」と尋ねられたときは、日程や要望に支障がない場合は「特に問題ございません」「承知しました」などと、提示された内容を受け入れる旨を返信します。相手に提示された内容から変更したい場合は、「申し訳ございません。いただいた中の日程ですと都合がつきません」や「申し訳ございませんが、そちらの内容は～のため、～にできれば幸いです」などのように謝罪の言葉も含めながら、代替案を提示することが大切です。

「ご都合いかがでしょうか」の類語、言い換え

「ご都合いかがでしょうか」と同様の意味を持つ言葉や、同様の使い方ができる類語、言い換え表現は次のとおりです。

ご都合はよろしいでしょうか

「ご都合いかがでしょうか」とほぼ同様の意味合いで使用できますが、「ご都合はよろしいでしょうか」の場合、すでに決定した日程で問題がないかを確認する際に用いることが多いです。「ご都合いかがでしょうか」の場合、主導権は相手側にあるのに対し、「ご都合はよろしいでしょうか」は、主導権がこちら側であることを示唆する表現であるため、社外や目上の人に対しては「ご都合いかがでしょうか」を使うほうが無難といえます。

ご予定いかがでしょうか

「ご予定いかがでしょうか」も同様の意味合いで用いることができます。「ご予定いかがでしょうか」は、「〇〇についてのお打ち合わせですが、〇月〇日～〇月〇日の間でご予定いかがでしょうか」のように、日程調整を行う際に使われます。

お時間いかがでしょうか

「ご都合いかがでしょうか」と似たような意味合いで、「お時間いかがでしょうか」も使用できます。「お時間いかがでしょうか」は、「〇〇についてご相談したく、〇時よりお時間いかがでしょうか」「〇〇の修正を〇時までにご対応いただきたいのですが、お時間いかがでしょうか」など、相手に予定を尋ねたり、依頼をしたりする際に使われます。

ご都合のほどいかがでしょうか

「ご都合いかがでしょうか」に「ほど」をつけ、「ご都合のほどいかがでしょうか」という書き方にすることで、より柔らかい表現になります。使い方は「ご都合いかがでしょうか」と同様に、「〇〇についてご説明するお時間を頂戴したく、〇月〇日～〇月〇日の間ではご都合のほどいかがでしょうか」のように、相手の予定を確認する際に用いられます。

「ご都合いかがでしょうか」の英語表現

「ご都合いかがでしょうか」は、英語では次のような書き方で表せます。

「be available」は「予定が空いている」「時間がある」という意味です。「Would you be available on ～（日付）」で、「〇月〇日はご都合いかがでしょうか」という書き方ができます。

「When are you available?」は直訳すると、「あなたはいつ予定が空いていますか」となり、「ご都合いかがでしょうか」と同様に、相手の予定を聞くフレーズとして使えます。

まとめ

この記事では、「ご都合いかがでしょうか」の意味や使い方、例文などをご紹介しました。相手に予定を尋ねる際には、相手の事情や状況を気遣いながら、丁寧に聞くことが重要です。相手に失礼にならない尋ね方ができるよう、記事内の例文や言い換え表現をぜひご活用ください。