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Sky株式会社

公開日2023.07.24更新日2023.12.19

寝苦しい夏に実践したい!睡眠力向上メソッド

著者:Sky株式会社

寝苦しい夏に実践したい!睡眠力向上メソッド

徐々に梅雨が明け出して、夏本番の気配。夜になっても気温が下がらない日が多く、暑くてなかなか眠れなかったり、エアコンのタイマーが切れると起きてしまったりと、睡眠不足を感じる方が増えてきているのではないでしょうか。

眠りの質が悪いと、仕事のパフォーマンスにも響きますよね。さらに、睡眠不足は熱中症の要因になることも判明しています(※1)。そこで今回は、ぐっすり眠るためのポイントをご紹介します。

快眠のための生活習慣

睡眠のカギとなるのは、体温です。人間は、体内時計に合わせた体温のサイクルを持っています。一般的に、活動が多くなる昼の時間帯は、体の中心部の「深部体温」が高くなります。そして、就寝時刻に向けて徐々に深部体温が下がっていき、眠る準備に入るのだそう(※2)

しかし、夏は夜になっても気温や湿度が高いままの日が多く、就寝前に深部体温が下がりにくくなります。熱帯夜は特に寝つきが悪かったり、途中で覚醒してしまったりする人が増えるのはこれが理由です。

暑くジメジメした時期であっても、スムーズに、なおかつぐっすり眠るために大切なのは、就寝に向けてしっかりと深部体温を下げること。そのためには、入浴や食事といった基本的な生活習慣を見直し、体内時計を整えていく必要があります。

・運動

運動をすることで、寝つきが良くなるだけでなく、睡眠が深くなる効果があります。ただし、運動習慣のない人が激しい運動を急に行っても、体の疲れや心の興奮状態が夜まで持ち越され、かえって睡眠が阻害されてしまうことも。ポイントは、適度な運動を習慣的に行うことです。

お勧めは、負担が少なく長続きする有酸素運動。早足の散歩やジョギングを週に3~4日、1回につき30分~1時間程度を目標に行うとよいでしょう。また、運動をする時間帯も大切です。就寝直前の運動は体を興奮させてしまうので避けましょう。就寝の約3時間前にあたる、夕方から夜にかけての時間が最適です。運動により脳の温度が一時的に上がることで、就寝時に脳の温度が下がった状態がつくり出されるため、質の良い睡眠が得やすくなるとのこと(※3)

・入浴

就寝前に入浴をすることで一時的に体温が上がり、眠りにつきやすくなります。これは運動と同じメカニズムなので、もちろん時間帯も重要。就寝の2~3時間前の入浴が、最も寝つきが良くなるので理想的だといわれています。

体温は0.5度程度の上昇を目安にしましょう。40度弱のぬるめのお湯に、30分程度ゆっくりつかるのがお勧め。時間がない場合は、42度くらいの熱めのお湯に5分ほどつかってもOKです(※3)

・食事

食事を取ることで、体温が上昇します(※4)。ここまで解説してきたように、就寝前には深部体温を下げる必要があるので、3食のうち就寝時刻に最も近い夕食が重要であることは、皆さんも想像しやすいと思います。また、食事を取る時間が就寝時刻に近すぎると、消化活動が睡眠を妨げてしまいます。運動や入浴と同じく、夕食も就寝の3時間前には済ませるよう心掛けたいところ。

そして、夕食と同じくらい大切なのが朝食です。エネルギー不足により日中の活動量が減ると、睡眠に影響が出ることも。朝食では、脳のエネルギー源となる糖分の補給を。時間がなければ、グラノーラのような簡単なものでもOKだそう(※3)。さらに、糖分の摂取により血糖値とともにインスリンが上昇するので、体内時計のリセットにも有効だとされています(※5)

快眠のための環境を整える

生活習慣の改善と併せて、睡眠に適した環境も必要です。睡眠の質に関わる要素として「温度」「湿度」「光」「音」が挙げられます。これら4要素を満たした睡眠環境を整えていきましょう。

・温度と湿度

睡眠中の寝具内の理想的な環境は、温度が33℃程度、湿度は50%程度(※6)。寝具内の温度は衣服や寝具で調整できるので、寝室の室温については厳密な基準はなく、13~29℃が良いとされています(※7)。エアコンを活用して、自身が快適だと感じられる温度に調節しましょう。

・光

睡眠を促進するホルモンの1つにメラトニンがあります。しかし、明るい光の下ではメラトニンの分泌が停止してしまいます(※8)。寝る直前までスマートフォンを触ったり、テレビを見たりゲームをすることが良質な睡眠の妨げになるといわれているのは、これが理由。

できれば就寝の1時間前には、これら電子機器の強い光を目に入れないようにしたいものですが、中には「スマートフォンで動画を見ることがストレス解消になっている」という方もいると思います。そのような場合、急に就寝前のスマートフォンの使用をやめると、かえってストレスを感じる恐れも(※9)。日中にできる別のストレス解消法を見つけ、徐々に就寝前に強い光を浴びる時間を減らしていきましょう。

・音

熟睡するために理想的な静けさは、約40dBA以下といわれています(※10)。図書館くらいの静けさを想像してください。しかし、家庭用のエアコンの室外機や換気扇、テレビといった生活機器が発する音は50dBA程度(※11)。そのため、これらの音が聞こえる環境で眠ろうとすると、寝つきが悪くなったり、熟睡しにくくなったりすることも。

寝室の位置などの関係上、音が原因でなかなか寝つけない環境にあるという方は、遮音カーテンに変えたり、耳栓を活用したりするなど、道具を活用して睡眠時の音を軽減できるように工夫しましょう。

質の高いパフォーマンスは、質の高い睡眠から!

良質な睡眠のポイントとなるのは、体温と環境であることを解説してきました。ただし、生活習慣の改善は一朝一夕でできることではありません。また、睡眠の質を下げるとわかっていても、なかなか変えられないこともあると思います。

ここでご紹介したことにすべて取り組むのは難しいかもしれません。ですが、どれか1つであれば、すぐに実践できそうだという方が多いのではないでしょうか。できることから少しずつ取り組んで、睡眠の質を向上させ、仕事でもさらに高いパフォーマンスを発揮していきましょう!


参考文献     
※1熱中症が発生する仕組みとそれに基づく有効な対策(厚生労働省)    
※2:e-ヘルスネット「眠りのメカニズム」(厚生労働省)    
※3:e-ヘルスネット「快眠と生活習慣」(厚生労働省)    
※4:e-ヘルスネット「食事誘発性熱産生 / DIT」(厚生労働省)    
※5時間栄養学からみた 「体内時計をリセットする」“ごはん”の食べ方(米穀安定供給確保支援機構)    
※6:e-ヘルスネット「快眠のためのテクニック -よく眠るために必要な寝具の条件と寝相・寝返りとの関係」(厚生労働省)   
※7健康づくりのための睡眠指針2014(厚生労働省)   
※8:e-ヘルスネット「メラトニン」(厚生労働省)   
※9:健康寿命をのばそう SMART LIFE PROJECT「専門家に聞きました 今日から使える睡眠トリビア」(厚生労働省)    
※10:長田泰公「騒音の睡眠に及ぼす影響」(国立研究開発法人科学技術振興機構)    
※11音についての基礎知識(東京都環境局)