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Sky株式会社

公開日2023.06.19更新日2023.12.19

消費行動の新たなトレンド「エシカル消費」とは

著者:Sky株式会社

消費行動の新たなトレンド「エシカル消費」とは

今やビジネスシーンではすっかり浸透した「SDGs」の考え方。世界中のさまざまな企業がサステナブルを掲げ、地球環境をより良くするためのアクションを起こしています。

以前はSDGsにまつわる活動の多くが企業主導で進められていましたが、近年では消費者が主体となって取り組める活動も増えてきています。その代表例が「エシカル消費」です。

ビジネスシーンにも大きな影響を与えているこの消費行動、一体どんな特徴があるのでしょうか?

エシカル消費では価格以上に○○が重視される?

エシカル(Ethical)とは、日本語で「倫理的な」「道徳的な」を意味する言葉で、一般的には法律上のルールではなく、良心に基づく社会規範を表しています。そこから「人や社会、環境に配慮した消費行動」をエシカル消費と呼ぶようになりました。

似ている言葉として「エコ(Eco)」がありますが、これは主に環境問題に焦点を当てた考え方です。一方、「エシカル」は環境だけでなく地域の活性化や適切な雇用体系など社会的な問題もカバーした概念とされています。

エシカル消費の代表的な行動は以下のとおりです。

  • 必要なときに必要な分だけを購入する(食品ロス削減)
  • フェアトレード商品を選んで購入する(適正な雇用の推進)
  • 簡易包装の商品を選んで購入する(ゴミ削減)
  • 地元で作られた商品や、被災地産品を積極的に購入する(地産地消、被災地支援)

こうした行動は、SDGsが掲げる17の目標のうち「12.つくる責任 つかう責任」にも密接に関わっています。SDGsで課題とされている環境破壊や貧困、水不足や食糧難などの解決に向けて個人が取り組めることとして、エシカル消費は有効であるとされているのです。

現在ではフェアトレード商品を表す認証ラベルや、環境負荷が少ないことを示す認証マークなど、消費者が購入する際の“目安”が付与された商品も少なくありません。見た目や味、値段に加えて「エシカルな商品であるか」が購入基準の一つとして広がっています。

企業に求められるエシカルな取り組み

消費行動が変われば、セールスやマーケティングの方向性にも変化が生まれます。

2020年の消費者庁の意識調査では、「エシカル消費につながる商品・サービス購入の意向がある」と回答した人は81.2%にのぼりました。そのうち、実際に購入した経験があると回答した人は35.5%と、すでに3割以上の人がエシカル消費を実践していることがわかります。

つまり、「エシカル消費につながる商品を選びたい」という消費行動は一般的に広く浸透し始めているのです。そのため、商品の価格や性能だけを強調したアプローチでは、消費者から選ばれにくくなってしまうかもしれません。

各企業ではこうした消費者のニーズに応えるためさまざまな取り組みが行われており、その一部は消費者庁の特設ページに掲載されています。ほかの企業でどんな取り組みがされているのかを知り、自社でできることを検討してみてはいかがでしょうか。

また、消費者に選んでもらうために重要なのは、自社の取り組みを適切にアピールすること。WebサイトやSNSを通じて、注力していることを積極的に発信していく必要があります。

消費者の“指標”が変化すれば売り方も変わる

近年、消費行動のトレンドの一つとなっているエシカル消費。商品を選ぶ上で「自分たちがお得に買えるか」「便利に使えるか」だけでなく、地球環境や労働者への配慮といった視点も重視されるようになってきました。

それに伴い、企業活動にもエシカル消費を意識した取り組みが求められることに。消費者から選ばれ続けるために、利益だけを追求せず“倫理的な”ビジネスを心掛けていること欠かせない要素になりつつあります。

今後のセールスやマーケティングの施策を検討する上で、エシカル消費への対応も取り入れてみてはいかがでしょうか。