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Sky株式会社

公開日2023.05.29更新日2023.12.19

新しい発想を生み出す「ゼロベース思考」とは?

著者:Sky株式会社

新しい発想を生み出す「ゼロベース思考」とは?

現代では多くの分野で多様な商品、サービスが発売され、他社との差別化が難しくなっています。競合他社の営業活動と差をつけ、商品やサービスを選んでもらうためには、顧客の潜在的な課題を見つけ出す力が重要です。

そこで注目されているのが、先入観を排除し、ゼロから物事を考えるという「ゼロベース思考」。私たちは過去の経験や知識に基づいた価値観をそれぞれ持っています。何かを考えるときには、その価値観を基に仮説を立てたり、既存の枠組みを参考にしたりするのが一般的です。ゼロベース思考で物事を捉えると、一体何が変わるのでしょうか?

ゼロベース思考のメリット

「ゼロベース」とは、文字通り何もない状態を基礎とすることです。「この案件、ゼロベースで考え直してみて」と言われたとき、皆さんならどうしますか?それまで集めてきた情報や前提知識をいったん白紙にして考えるということですから、簡単なことではありません。

しかし、将来の予測がつかないVUCA時代といわれる今、従来のやり方を踏襲していてはビジネスを長く展開することは困難な場合も。そこで活躍するのがゼロベース思考なのです。先入観をなくして幅広い視点から物事を考えることができるため、新たな発想が生まれやすいといわれています。

ゼロベース思考で生まれたサービスの例として有名なのが、JR湘南新宿ラインです。この路線は東京・神奈川・栃木・群馬を縦断して走っています。首都圏を縦断的に走る路線の需要は昔から根強くありましたが、走行頻度が非常に高い山手線などが走るエリアでは、既存の路線に割り込むのは不可能といわれていました。

そこで生まれた解決策が、貨物列車が走る路線を利用するというもの。貨物路線は走行頻度が低く、旅客路線に比べてすいていたため、貨物路線を旅客路線としても利用することにしたのです。「旅客のための路線である」という前提を排除してゼロベースで考えたことで、貨物路線を利用するという新たな発想が誕生しました。

どうすれば先入観を排除できるか?

ゼロベース思考の出発点となるのは「現状を疑う」ことだといわれています。例えば、前述の「この案件、ゼロベースで考え直してみて」という指示に対して、どんな要素が挙げられるでしょうか。

目標設定は正しいのか?  
・使っているツールは本当に必要か?  
・ゴールまでのフローに過不足はないか?  
・趣旨は顧客のニーズに合っているか?  
・チームの人数や仕事の配分は適当か?  
・自社にとって意味があるものになっているか?

上記は一例ですが、多様な角度から今ある要素を考え直してみましょう。少しでも疑問を持ったり、新しく思いついたりしたことは書き留めておきます。もし現状が満足できるものであったとしても、「もっと良くできる点はないか?」という視点を持つことが重要です。

柔軟な発想で新しいアイデアを生み出そうとしても、そう簡単に思いつくものではありません。そのため、思考の土台を白紙に戻すために、今あるものや前提を疑ってみることから始めるのがお勧めです。

営業活動にゼロベース思考を取り入れるメリット

さて、ゼロベース思考を営業活動に活用するとどのようなメリットがあるでしょうか。

顧客の潜在的な課題を見つけ出そうとしたとき、どうしてもそれまでのやりとりから得た情報に影響を受けてしまうこともあると思います。しかし、一度すべてを白紙にして考えてみると、見え方が変わるかもしれません。

例えば商談の手応えがなかったとき、「資料のここを変えてみよう」「提案の順番を変えてみよう」と試行錯誤することも多いのではないでしょうか。しかし、それでも納得のいく仕上がりにならなかったときは、前提条件を排除して考え直してみるのも一つの手です。思いもよらなかった観点からアイデアが浮かんでくる可能性があります。

常識にとらわれない斬新な提案ができれば、顧客からの信頼を得ることにもつながるはずです。既存のやり方では太刀打ちできない、他社の営業活動と差をつけたい、という方はゼロベース思考を実践してみてはいかがでしょうか。