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Sky株式会社

公開日2023.04.24更新日2023.12.19

「研修」って必要?人材育成に欠かせない3つの要素

著者:Sky株式会社

「研修」って必要?人材育成に欠かせない3つの要素

人材育成に影響を与える3つの要素

新年度を迎え、約1か月。間もなく新人研修を終えた新入社員が現場に配属されるという企業は多いのではないでしょうか。あるいは、すでに現場に配属され、育成がスタートしているという企業もあると思います。

皆さんは、企業が人材育成を行う上で注視すべき「70:20:10の法則」をご存じでしょうか?人材育成にはどのような要素がどの程度影響するかを示した法則で、70%が実際の業務における「経験」、20%は上司や先輩からの指導による「薫陶」、残りの10%が講義や教材から知識を得る「研修」だといわれています。この法則は、アメリカの人事コンサルティング企業であるロミンガー社が実施した調査結果を基にしたものであることから「ロミンガーの法則」とも呼ばれます。

この法則を見て、研修は役に立たないという印象を受ける方もいらっしゃるかもしれません。ですが、見方を変えれば、人材育成の約30%は実務経験以外の要素が担っているといえます。むしろ、最も多くの時間が費やされる「実務」が企業人としての成長に大きく影響を与えるのは当然であり、機会が限られている「薫陶」や「研修」の時間こそ大切にすべきなのではないでしょうか。

限られた「薫陶」と「研修」の時間を有効活用するために

それでは、実務と比較して費やせる時間が少ない「薫陶」や「研修」に割く時間を最大限生かすには、どうすればよいのでしょうか。そのためには、人材育成を“される側”の心構えが重要なカギになります。

・薫陶

薫陶とは、「徳の力や優れた人格で人を教育すること」を意味します。人は、会社の上司や先輩だけでなく、親や教師など、たくさんの人から薫陶を受けて成長するものなので、教育を受ける側には、アドバイスをしっかりと聞く姿勢が大切です。実務を行うなかで、上司や先輩、さらには取引先の担当者からさまざまなフィードバック(=薫陶)を受けることで、自己の課題を発見でき、自分自身で内省することが成長につながります。

・研修

「70:20:10の法則」における「研修」には、講義形式の研修だけでなく、eラーニングや読書も含まれます。とはいえ、単に研修を受けたり、読書をするだけでは効果的な成長につながりません。研修や読書は、実務経験だけでは得られない知識を補完したり、得た知識を実務に当てはめ、自分なりの考え方ややり方を形成するための機会であると考えましょう。新たな学びを得ることで、ものごとを多角的に見る力も身につきます。

★効率的な学習方法については、先日ご紹介した「戦略的学習力」に関する記事も併せてご覧ください。  
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人の成長には3つの要素の結びつきが重要

もちろん組織人として成長するためには、実務経験が欠かせません。ですが、ここまで紹介してきたように、上司や先輩から受けたフィードバックを実務に結びつけて内省することや、研修や読書で実務を補完することも大切です。

つまり、「経験」「薫陶」「研修」はそれぞれ独立した要素ではなく、相互に作用し合うものであり、そこに優劣はありません。企業にとって、人材育成にはかなりのコストと時間がかかるものです。指導や研修を行う場合は、ただ知識を伝えるだけでなく、「いかに実務につなげられるか」という視点を大切にすることで、それら3要素が効果的にリンクして、スムーズな人材育成が可能になるのではないでしょうか。