身近にある「○○テック」、いくつ知っていますか？

「フードテック」「ヘルステック」「エドテック」……最近いろいろなところで、「○○テック」という言葉を目にしませんか？これらはまとめてクロステック（X-Tech）と呼ばれており、「テック（Tech）」は「テクノロジー（Technology）」を表しています。

近年はさまざまな分野にIT技術が普及していることから、クロステックの種類も多様になってきました。そこで今回は、私たちに身近な分野を中心に、各種クロステックの意味や内容をご紹介していきます。

代表的なクロステック6選

クロステックとは、既存の事業とIT技術を掛け合わせて新たな価値やソリューションを提供するビジネス領域のこと。AIによるビッグデータ分析やICT技術の導入で、これまでにないサービスや商品を提供する企業が増えています。

IT技術といってもさまざまですから、どんな分野と何の技術を組み合わせるかによってクロステックの種類や目的も大きく異なります。ここでは、私たちにも身近な6つの分野をご紹介していきます。

①アドテック（AdTech）→広告（Advertisement）

主にWebサイトやSNSにおける広告でIT技術の導入が進んでいます。ターゲットを絞ってパーソナライズした広告を表示させたり、地域や年齢などユーザーの属性ごとに効果測定をしたりと、広告効果をより高める施策に取り組めるようになりました。

②アグリテック（AgriTech）→農業（Agriculture）

農業分野では働き手の減少や高齢化が課題とされており、それをIT技術で解決することができるのではないかと期待されています。農薬の散布にドローンを使用するといった作業の効率化だけでなく、熟練農家の技術や知識をデータ化するなど後進の育成にも活用の幅が広がっています。

③エドテック（EdTech）→教育（Education）

文部科学省の取り組みで児童・生徒1人につき1台ずつ端末が整備されるなど、学校現場ではICT教育が推進されてきました。オンライン授業の実施やデジタルポートフォリオの作成をはじめ、より良い学びの実践が目指してIT技術の活用が進められています。

④フィンテック（FinTech）→金融（Finance）

IT技術を導入した金融サービスのことで、代表的なのはキャッシュレス決済やインターネットバンキングといったサービスです。近年大きな話題となっている暗号資産や仮想通貨にもフィンテックが活用されています。

⑤フードテック（FoodTech）→食べ物（Food）

食とテクノロジーを掛け合わせて食糧問題の解決を目指すフードテックでは、フードロスや食料不足といった課題の解決だけでなく、植物性の人工肉や昆虫食など、食の可能性を広げる取り組みも進んでいます。

⑥ヘルステック（HealthTech）→健康（Health）

医療・ヘルスケアの分野でもテクノロジーの活用が進んでおり、スマートウォッチ等のウェアラブルデバイスを使った健康管理や、遠隔地のオンライン診療、IoT家電による高齢者の見守りサービスなど、市場が拡大し続けています。

今後もさらなる進化が期待される

今回は、さまざまな分野に広がっている「クロステック」についてご紹介しました。皆さんはいくつ知っていましたか？

既存の事業にIT技術を導入する動きは世界的に加速しており、今後も広く浸透していくといわれています。私たちの暮らしにも密接に関わってくることが予想されますので、興味のある分野はぜひ詳しく調べてみてください。